文春のワナにはめられた甘利財務相が頼ったのは、やはり盟友の安倍総理であった。

甘利は、建設会社からの献金を政治資金として適切に処理していた。しかし、地元事務所の秘書が500万円を受け取り、そのうち300万円を使い込んだことを正直に明かす。

※甘利財務相と安倍総理の会話(カンファレンスルームにて)

甘利「余命はどれくらいと読む?」

安倍「・・・長くて3週間だろう。」

甘利「フッ、僕の判断と同じだよ。」

安倍「甘利、うちの内閣に残らないか?」

「うちなら電通と密に連携して、積極的なマスコミ対策を取ることが出来る。また,仮病で閣僚を入院させる提携病院もたくさんある。」

「おれが守らせてもらうよ。君が望む対策を行う。」

甘利「有難う、安倍。嬉しいよ・・・。」
(ため息をつく)
「だが、それは無理な相談だな。秘書の管理責任を問われる財務相がその職にとどまれば、国会議員の面子は丸つぶれだ。ましてや、TPPの設立に関わっていた僕が、金銭スキャンダルで残ることは許されん・・・。」

安倍「面子なんかどうにでもなるじゃないか。おれが・・・おれがマスコミを説得するよ。」

甘利「無駄だよ・・・君の説得など通じる世界じゃない。君もよく知っているとおりだ。」
(咳き込む)
「私の事務所が招いた国民の政治不信を秘書のせいだと責任転嫁することはできない。それは、政治家としての美学、生き様に反する。」

安倍「甘利、なぜ諦めるんだ・・・。どんなときでも決して諦めず戦ってきた君じゃないか。君自身にやましい点がないなら,君自身が望む進退を自分で選ぶべきだろう。」

甘利「どうしたんだ安倍。辞任を間近にした閣僚に声を荒げたりして。いつも穏やかな君らしくないぞ。」

安倍「君を助けたいんだ・・・」

甘利「僕は助からんよ。」

安倍「おれが君を助けたいんだ。」
(立ち上がる)
「それが無理なら、せめて君の不安を受け止めたいんだ。」
(甘利を見つめる)
「おれが受け止めたいんだ。」

甘利「安倍・・・僕に不安はないよ。ただ・・・・」
(涙を抑える)
「すまん・・・」
(しばし沈黙)
「ただ、無念だ・・・・TPPの署名式に出たかった。」

(2人でがっちり握手。)

♪アメイジング・グレイス

(終劇)

甘利と安倍2