先の「謎の拳法を求めて」が日本~台湾での武道・武術修行の体験記であったのに対して、この二冊は、台湾から中国大陸へ赴かれ、太極拳、八極拳、心意六合拳など数々の中国拳法とその師匠との巡り会いを中心に書かれている。
・同じ、松田師範の著書でも昭和40年代~50年代のものよりもさらに深い研究と取材がなされており、中国武術の世界を知るのにまさに好著といえる。
・この二著は松田師範が求め続けられた、中国武術の修行の過程において、やがて門派を越えた『絶対なる一』へ回帰する過程が詳細に書かれてある上に、ご自身がライフワークとされている“最高の突き”に巡り会う場面など、非常に読み応えがある内容となっている。
・また、松田師範の一連の修行体験を基に作られたのが、劇画『拳児』(小学館)である!
<内 容>
半世紀の間、武術を求め続ける男の軌跡。本書は著者が“最強の拳技(当て身技)”を求めて、日本武道から中国武術の世界に名師・名拳を尋ね歩いた記録である。
【拳遊記】(目次)
1 太極拳編—太極の理に伝統に姿を見る(太極拳から「伝統」を考える
太極拳・今昔物語中国拳法への道程 ほか)
2 八極拳編—八極の教えに人生の指針を得る(武術人生の基柱と出会う
始まった八極拳の本格修行発勁の存在を証明する ほか)
3 大陸編—達人を尋ねて大陸を巡る(本格的な大陸武者修行が始まった!
いよいよ念願の滄州、孟村へ健在なり、孟村八極拳の伝統! ほか)
【続拳遊記】(目次)
1.心意六合拳編(回族の秘拳・心意六合拳心意六合拳に入門
最強烈を探す旅が始まった心意六合拳の泰斗・呂瑞芳大師
安徽系心意六合拳に決定心意六合拳は単純明快で爽快な世界だ)
2 少林寺・心意把・心意拳編(少林寺に秘伝・心意把を探る少林寺の秘拳に迫る
心意把の伝承者を訪ねる少林拳の核心が陳氏太極拳の中に!?
秘密のベールから表れた秘拳・戴氏心意拳山西省番外編
—山西省に失伝された一〇八勢長拳が残っていた)
3 技撃編(絶対なる一を求めて50年最高の突きを求めて諸流遍歴
陳氏太極拳掩手肱捶の変遷 ほか)