経験? | NOB’s Page(第2別館?)

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 ちょっとスパイシーな独り言かも?

 やや散文詩??

 (妄想)???

治療

 

 

「普通のインフルエンザや肺炎球菌の場合、数週間から1カ月ほどかけてゆっくりと悪くなっていくが、コロナは本当に1日、2日で急激に悪化する。このスピードに医療体制が追いつかないというのが、このウイルスの怖いところだ。また、今のところは敵である新型コロナウイルスそのものを殺す薬がないので、いわば自衛隊にあたる自分の免疫がウイルスを殺してくれるのを待つしかない。しかしウイルスが免疫に波状攻撃をかけてくるので、戦場にあたる肺がどんどんダメになっていく。そこで炎症を抑えるため、ステロイドを使ってコントロールしながら持久戦に持っていくという治療だ」
「呼吸器に繋いでいる間が症状としてはピークだが、麻酔をかけているので意識がなく、痛みも苦しみも感じない。ここで助かりそうだというときには麻酔を切って自発呼吸をしてもらうことになるが、そうでなければ終わり、ということだ。僕の場合、2日後には呼吸状態が良くなって来たので麻酔が切られ、目が醒めた。“ああ、助かったのか”という感覚だった。しかし、ここからの回復期がきつかった。痰を一生懸命出さないといけないが、糊のような状態なので、しょっちゅう詰まって息を吸うことも吐くこともできなくなる。そこで痰を吸い出すための管を肺まで入れて吸うのだが、これがきつい。1日に5回も6回もやるので、体力も相当奪われた」
「味覚に関しては戻ってきたが、今も空咳が出るのと、右の肺の上葉が結構ダメージを受けているので、階段を1フロア分上っただけでも息が上がってしまう。それから、筋肉痛もある。皆さんが勘違いされているのが、病院の言う“治癒”の状態と、患者さんが考えている“治る”は意味が違うということ。感染症の状態は、いわば火事が起きているということだ。そこに医療が消防隊として駆けつける。そして鎮火すれば消防隊は“消えましたね。良かったですね”と言って帰ってしまう。しかし、そこにあるのは以前のままの家ではなく、焼け跡があるということだ。患者さんの感覚では、新しい家が建て直され、家に住める状態が“治った”だと勘違いしているが、医療がやってあげられるのは、基本的に火を消すことだけ。そこから家を建て直せるかどうかは、患者さん自身の再生能力次第だ。すぐに再建できる人もいれば、1年、2年とかかる人もいる。その状態を後遺症と呼んでいるということだ」
 

 

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