離脱派がEU維持のためにイギリスが負担している費用を社会福祉の予算に回すって喧伝して、バスのボディにデカデカと書いていました。
ところが、離脱派の政治家は公約ではないし自分はそれについて一言も言ったことがないと言い出しました。
あれは使い道の例に過ぎないと言うのです。
実際、負担するだけじゃなくてEUからの補助金もあるから丸々自由になるお金じゃなかったようです。


しかも、残留派の経済的大打撃という警告の方だけ現実味を帯びてきました。
ロンドンのシティは、わずか1マイル(1.6km)四方の中に金融機関がひしめき合っています。
EUのどこか1つの国で金融の免許を取れば、域内どこの国でも営業ができました。
だから、当然ながら英語が公用語のイギリスで金融機関の免許を取る世界の金融機関がありました。
イギリスがEUを離脱したら、イギリスでの金融機関の免許は価値が暴落します。
イギリスのGDPの1割を占める金融業の没落は、大きな打撃です。


じつは、これは金融業だけの話ではありません。
日本からイギリスに進出している日産自動車は、イギリスで排ガス規制に合格すれば域内すべてに輸出することができました。しかしながら、今後はイギリス以外のどこかで排ガス規制認証を受けなければなりません。
日立もイギリスで、鉄道車両の製造を始めました。
当然ながら、EU域内に輸出する目的がありました、関税なしで。
しかし、ドイツのシーメンスがドイツ政府に日立を関税で締め上げてくれと言えば、日立はイギリスから撤退せざるを得ません。
金融業も製造業もイギリスを出ていく理由ができました。