2020年月面に太極旗を立てるという韓国の計画が面白いのです。
何が面白いかと言うと、韓国は人工衛星を打ち上げるロケットがありません。
韓国初の国産ロケットということに国内では言われている羅老(ナロ)号は、1段目がロシアから買ってきたものです。
ロシアで組み立てて完成品で韓国まで運び、韓国人エンジニアは一切近づけずロシア人のガードマンが守っていました。
もちろん技術移転も一切なし。
なにしろ韓国は、ロシアが軍縮で廃棄したミサイルの部品を屑鉄に紛れ込ませて盗んだ実績があります。
だから韓国にだけは二度と技術を盗ませまいとしたわけです。
これ↓
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ロケット技術は、ミサイルに直結しているから他国に技術移転なんかしたくないのは当たり前です。
日本もアメリカのデルタロケットの技術導入をしましたが、部品を完成品で輸入するなど不自由だったので、H-1を自主開発することにしました。
これは日本のロケット開発史上もっとも困難なプロジェクトでした。
10年の歳月をかけて日本はこれを成し遂げたのでした。


韓国はと言えば、ウクライナから入手した推力30トン級のロケットエンジンを基に、独自に75トン級ロケットエンジンを組み立てました。
組み立てたところで、もう自慢していますが、飛ぶか飛ばないかわかんないじゃないですか。
まだ燃焼実験もやってないのに。
それなのに、もう気持ちは月に自国旗を立てるつもりでいます。
自国技術でまだ人工衛星一つ打ち上げたことがないのにですよ。
韓国内では、世界で10番目に人工衛星を打ち上げたことになっていますが、国際的には韓国は自国ロケットで人工衛星を打ち上げた国じゃありません。
10番目は北朝鮮ですが、一つの国になってしまえば同じですかね?
ともかく、人工衛星の打ち上げもしたことがないのに月面探査するって発想が世界的に見て異常です。
世界で4番目に月に探査機を送るという計画ですが、無理です。


日本が4番目です。もしかしたらインドが4番目かも知れないんで、韓国は6番手以降です。
日本は「かぐや」、インドは「チャンドラヤーン1号」が月周回軌道ですでに探査を行った実績があります。
打ち上げるロケット技術はすでに持っています。
これから開発する韓国と全然違います。
インドの「チャンドラヤーン2号」が4番手というのが2016年か2017年にロシアと共同でミッションを行う予定です。
単独じゃないんで、どういう評価になるかわかりません。
それを言うなら、実は日本の民間チームもアメリカのロケットで月探査機を同じ時期に送り込む計画があります。
日本チームだけじゃなくて、世界の多くの民間チームが競う懸賞プロジェクトです。
つまり、韓国の月探査計画は民間も含めて大勢が月に殺到したあとに行くってことです。
そんなに遅れて行って、国旗を立てて喜ぶなんて、世界的な笑いものです。
もっと言うなら、欧州宇宙機関も今すぐにでも月探査ぐらいできるし、ブラジルやカナダだって出来そうです。
10番手までに入れば上等ですよね。


ついでの話ですが、自称先進国の韓国は月探査では満足できないようです。
火星探査計画と、さらに小惑星探査計画も宇宙開発のスケジュールに入っています。
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そのロケットが面白いのです。
月探査計画では、75トン級ロケット4基を束ねて1段目を作ります。
さらに遠い宇宙には、27基を束ねてやるみたいですね。
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これ「クラスター技術」と言いますが、結構難しいもので旧ソビエト連邦がアメリカに対抗して有人月探査計画用のロケットに採用します。
アメリカの巨大ロケット「サターン(土星)」ロケットに対抗するため30基のロケットエンジンを束ねて作ったのがN-1ロケット。


クラスターロケットの利点は、小さい出力のエンジンでも大きなロケットが作れることです。
世界初の人工衛星スプートニクをアメリカに先んじて打ち上げられたのも、クラスターロケットのおかげでした。
アメリカが有人月探査計画をぶち上げたとき、旧ソビエト連邦も対抗すべくN-1ロケット計画を進めました。
このロケットは、アメリカのサターンロケットのような大出力エンジンを作らずに、既存エンジン30基を束ねました。
しかし、クラスターロケットの弱点は束ねたロケットの一つが不具合になったとき、酔心軸対称方向のエンジンを止めるのです。
エンジンの数が増えるほど大変になります。
結局、旧ソビエト連邦では問題を解決できず、計画自体が中止に追い込まれました。
サターンロケットが13回の打ち上げに全部成功したのに対し、旧ソビエト連邦のN-1ロケットは全部失敗したのです。


もう失敗すること保証付です。