アメリカの共和党がえらいことになっていますね。
もちろん不動産王ドナルド・トランプ氏が大統領指名選のトップを走っていることです。
というのも、トランプはアメリカの善き保守層に支えられてきた政党だったはずなんです。
それは1950年代の豊かなアメリカ北部の白人家庭のことです。
その頃の世界の工場は、アメリカでした。
現在(終わりつつあるけど)世界の工場は中国です。
60年前の世界の工場と、今の世界の工場が違うところは2つあります。
ヘンリー・フォードは、T型フォードを世に送り出しました。
これはT型フォード自体が優れていたこともありますが、それまで手作りに近かった生産から大量生産のシステムを作り上げた飛躍的な生産性の向上があったのです。
そして、その生産性の向上を労働者に還元して購買力も向上します。
1960年代のアメリカで作られたホームドラマは、そんな豊かなアメリカを描いていました。
さて、現在の世界の工場は労働集約型の工場が多いのです。
たとえば、iPhoneの生産工場は中国にあります。
しかしながら、部品の最大供給者は日本の企業たちです。
中国の工場で行うのは組み立てだけです。
全体の5%しか中国に富が落ちません。
だから、生産性が上がらないから給料も上がらない、だから購買力も上がらないから内需がない。
トランプは、アメリカの貧困な白人層から大きな支持を得ています。
自分たちは、白人なのに仕事もなく、貧しい。こんなはずじゃない。
トランプなら中国や日本や韓国に奪われている仕事を取り返してくれる。
と、信じているけど中国から取り返すのは、誰もやりたがらない安い仕事。
日本は、円高にやられてアメリカで現地生産しています。
アメリカで一番人気の国産車はトヨタ「カムリ」なのです。
それを知らないんですが、トランプの貧乏人支持者も知らないのです。
アメリカからトヨタを追い出したら、とんでもない失業者が生まれます。
もし、まさか、本当に大統領になったら、できませんよね。