鴻海がシャープ支援をすることになったものの、すったもんだで契約に至っていません。
日本の「革新機構」も支援を申し出ていましたが、鴻海の破格の条件で革新機構は脱落してしまいました。
破格の条件とは、取締役の留任と従業員のリストラをしない。
こんなの普通あり得ないわけで、シャープみたいな大企業の倒産手続きは『会社更生法』になるでしょう。
会社更生法が適用されると、取締役は全員クビ!従業員だって当然大幅リストラになります。
株式は100%消却で紙屑になります(現実には、株式はすでに電子化されているんで紙屑にもなりません。)。
鴻海の提案がいかに魅力的か全てのステークホルダーが感じるわけです。


しかしながら、今もめているのは『偶発債務』の問題です。
偶発債務って、皆さんあまり聞いたことがないというよりは全く聞いたことがないと思います。
これは、現在只今は債務ではないが将来債務となりうるもののことです。
ほとんどが保証債務です。
でも、これって会社買収をするときの基本的な調査事項なんです。
私も昔、広島の資産と言ったら閉鎖した工場しかない会社を買収する事業に携わったことがありました。
目的は、会社買収じゃなくて工場跡地をマンション用地にすることでした。
広島の会社は、経営陣が株式を譲渡する非常に安い税率の譲渡で、税制上有利です。
一方、買収側は大変なんです。
広島の会社と自社(上場企業)ではなく子会社と合併して、合併差益課税があって面倒な手続きがあって、会社から土地を分離するには大変な手間と費用がかかりました。
と、私の思い出はともかくとして、『偶発債務』は恐いんで代金全額を支払わず、一定期間の留保金を設けました。


シャープは、鴻海と革新機構と倒産の3つ道がありました。
鴻海の破格な条件に飛び付いて、革新機構を袖にしました。
鴻海がゴネ出した今、シャープには鴻海か倒産の2つの道しかありません。
これって、いわゆるハゲタカ外資が使う常套手段です。
結局、鴻海は革新機構を排除するまでは破格の条件で、革新機構を追い出したら条件を変更するつもりだったのでしょう。


汚ないですねえ。
でも、これがハゲタカの手段です。