中国の輸入が前年同月比で20%も減っているんです。
今、中国の沖にはタンカーが入港順番待ちで浮かんでいます。
中国の生産が停滞して石油の消費が減っているんですが、その分を備蓄に回していました。
ところが、天津の大爆発で備蓄タンクが壊れてもうタンカーの石油を受け入れる場所がないのです。
石油を下せないから、次の石油を運びにいくこともできません。
その点、世界の半分以上輸入していた鉄鉱石は、タンクがなくても地べたに置けるからタンカーのような悲惨な目に遭っていません。
中国の外貨準備高は、一時期3兆7000億ドルと言われていました。
しかしながら、外貨準備高って現金で持っているわけじゃないので質が問題です。
日本は1兆3000億ドルのうち安全資産のアメリカ国債で90%持っています。
中国は、何で持っているのかわかりませんが、最近の欧米金融資本による人民元の売り浴びせに対抗して、5000億ドルくらい一気にアメリカ国債を売ってしまいました。
アメリカ国債の保有残高は、日本を下回ってしまいました。
アメリカ国債を売っているのは、何か思惑があるのか?と言えば、通貨防衛のため為替操作する資金を得るには、アメリカ国債を売ることでしか調達できなかったからでしょ。
あとの2兆ドル余りは何かというと、統計の間違いか富裕層と汚職官僚が海外に持ち出した資産じゃないか?と上念司さんは笑い飛ばします。
しかし、私はそれよりありそうな説を支持します。
それは、ベネズエラやアフリカの(反米)独裁国家の資源開発に投資した資金というものです。
ベネズエラの国家財政はすでに破綻しています。アフリカにおける石油利権は、欧米の石油メジャーに取られてしまっています。
ほぼ紙屑ですが、帳簿上は消したら責任者の首が胴体とサヨナラするからできないだけ。
首が飛ぶって表現がありますが、中国の場合は本当に首と胴体が離れるので軽くは書けません。
中国人は個人レベルで金が好きですが、外貨準備高の金はごくわずかです。
したがって、為替操作する資金はアメリカ国債を売るしか調達できなかったと思います。
だから中国は、IMFの特別引出権(SDR)が欲しくてたまらないのです。
実際のところ、中国の外貨準備高は尽きかけていると考えられます。
SDRというのは、一種の疑似通貨で特権を持つドル、ポンド、ユーロ、円が組み込まれていますが、中国は人民元も加えたいんです。
IMFは、5年に1回見直しをします。今年がその年です。
中国は、イギリスとドイツに働きかけて今年SDRを得たいと思っています。
今年ダメなら5年後ですが、その時まで中国経済が健在とも思えません。