ポール・クルーグマン(ノーベル経済学賞受賞経済学者)が言うには、「中国がバブル崩壊の真っ最中であることを否定する学者は、アメリカに一人もいない。」だそうです。
これは日本のバブル崩壊にも似ているが、更に中国特有の悪材料があります。
587兆円もあるシャドーバンキングが不良債権化して連鎖的に弾ける。
個人消費がGDPの70%あるアメリカ(日本は60%くらい)に対して、中国は30%。
GDPの半分を投資に頼る構造が問題で、為替の安値誘導(切り下げ)をやっているが効果は少ないと見ています。
完全変動相場制にすべきだが、急激な人民元安を招くと思う。これは更に大きな米中摩擦を生むが中国にその決断はできないと言っています。
さて、ここでクルーグマンが慧眼であると言うわけじゃありません。
アメリカのどの学者もそうだって言っているんです。
従来、中国当局や中国メディア(全部が共産党のちょうちんメディア)は、バブルと認めていなかったし、バブルじゃないんだからちゃんとコントロールしてハードランディングしないと言ってきました。
しかし、ここではっきりしたことが2つあります。
1! 中国当局が「バブルでした。」と認めました。
2! ハードランディングをコントロールできないことも世界が見てしまったんです。
クルーグマンがお奨めしていた完全変動相場制は、人民元がアメリカの反発をかうのでできないとしても、
これは中国だけでなく、金余りで新興国に向かっていた金を逆流させる効果があります。
1997年のアジア通貨危機を再燃させることになります。
そのとき、日本の金融機関は欧米の金融機関が資本を引き揚げる場面で、最後まで韓国にドルを繋ぎました。
ところが、韓国はアジア通貨危機は日本の貸し剥がしで起こったと世界に吹聴しています。
しかも、IMFの融資が行われるまでの繋ぎ融資を行った日本政府の恩を忘れるどころか、仇で返しやがったんです。
さすがに当時の担当者は、「次は助けない!」と当たり前の反応です。
韓国は、日本との通貨(ドル)スワップを延長せず中国と人民元のスワップを交わしています。
滑稽です。日本との唯一だったドルのスワップをやめて、信用を失って通貨危機の元凶となった人民元とのスワップなど全く意味がありません。