アメリカの場合、デュポンだけじゃなくてゼロックスPARCとかの民間研究機関が多くのノーベル賞受賞者を輩出しています。
ちなみに、デュポンって名前ですがフランス革命のときにアメリカへ逃げてきた貴族の末裔なんですね。
アメリカに渡って、火薬事業を興してアメリカの競合会社より優れた製品で定評を得たところ、南北戦争が勃発して大儲けしてしまいます。
それで、現在の総合化学メーカーとなる基礎を作りました。
アメリカの民間企業は、こういう基礎研究をするところに強みがあります。
このあたりは、日本も同様ですがアメリカは軍事的技術が民生技術にスピンオフすることが多いのです。
世界初のコンピュータ「エニアック」は、砲弾の弾道計算のために開発されました。
インターネットは、核戦争による通信の分断を防ぐために開発されました。
GPSだってカーナビのために開発されたわけじゃありません。


先進技術は開発に金がかかりすぎて採算が合わないこともあります。
その点、軍事技術はまったく採算度外視ではないけれど、一般の商品よりは採算性が甘いのです。
そんな技術もやがて量産化などで民生品にも広がって、私たちは今やパソコンでインターネットに繋がっています。
ところが最近は、その逆が行われるようになっています。
ソニーと東芝が開発したゲーム機用のグラフィック半導体の能力が、アメリカ軍の軍用に開発された半導体より遥かに優れていたのです。
びっくりしたアメリカは、日本の軍事転用可能な技術の調査を定期的に行うことにしました。
ともかく、日本の民生品における先進技術開発力は素晴らしく、テレビゲームを見るようなイラク戦争の映像は、日本のゲーム機の技術があったからのものです。


日本の10式戦車(ひとまるしきせんしゃ)のビデオカメラやスラローム砲撃(蛇行走行しながら敵を砲撃する)をするためのセンサーは、元々は民生技術からの転用です。
民間の特許収支で、日本は圧倒的な輸出超過で韓国ではまったく逆です。
日米の強みがわかりましたが、これじゃあ韓国人のノーベル賞を取れない理由もまたわかったような気がします。
それでも、唯一の朝鮮生まれのノーベル賞受賞者のこと大きな声で言えないのは、ペーダーセンがノルウェー人と日本人の混血で、韓国人の血を一滴も引いていないばかりか「良雄」という日本名も持っていたからです。