こんな報道がありました。
中国で今後一層、経済発展が進み、国民1人当たり平均年収が6000ドル(約60万円)に達すれば、国民が民主化を求める傾向が抑えきれなくなり、このため、中国共産党の一党独裁体制は今後10~15年で崩壊する可能性が高い
この予測は米クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ(裴敏新)国際戦略研究所所長(教授)によるもの。
ペイ氏はこれまでの軍や一党による独裁などの全体主義国家の崩壊の例を研究し、平均年収が1000ドルを超えると、全体主義体制は不安定になり、4000ドルでは民主主義社会への移行はほとんど不可避となる「民主過渡期」に入ると指摘。6000ドルに達すると、もはや一党独裁体制や軍政は継続するのが困難になるという。
ペイさんは、中国系のようですが中国が民主化すると思うのは如何なものでしょうか?
もっとも民主化と言っても、マレーシアみたいな複数民族の統合型の民主化だと言っています。
それにしても、中国に民主化は似合わないと思います。
そもそも中国は民主化しては統一不可能でしょう。
最近、書店に2009年に出版されたジョージ・フリードマンの「100年予測」が横積みで置かれています。
フリードマンの予測が徐々に的中しつつあるからなんでしょうか。
フリードマンは、沿海部と内陸部で分裂するとしています。
だいたい中国の人口のうち10億人は、黄海から700kmのあたりまでに住んでいます。
これって、アメリカの3倍の人口がミシシッピ川の東側に住んでいるようなもの。
って書いてあるんですが、つまりはアメリカの3分の1の面積に3倍の人口が住んでいるということです。
中国の人口が多いのは、こんなエリアです。
それはまた降水量380mmのラインで分かれています。
中国にとって、このラインより内陸部はインド、ロシアとのバッファーです。
ここを境に中国は伝統的に分裂します。
さらに、黄海から200kmあたりで所得の格差が大きくなっています。
ここに日本の資本が入り込んで、中央と離反するとフリードマンは言っています。
ま、それもどうかな?って思うんですが、日本の資本はともかく分裂はすでに進み始めているようです。
大統領補佐官を務めたことのあるキッシンジャー博士は、定期的に中国を訪問していますが、地方政府はすでに共産党で治める段階ではなく軍なくしては統治不能な状態と述べています。
これは、理由こそフリードマンの予測とは違いますが、結果は見事に予測をトレースしています。
これに対し中国は、最大のキーマンと思われる李克強首相ですらバブルのコントロールに苦慮しています。
歴史上はじけなかったバブルはありません。
中国は世界史上初の「はじけないバブル」をやろうとしています。
お手並み拝見というところです。