今年2月、浙江省の省都である杭州市の新規分譲マンションの平米単価が2割から3割下がりました。
5000万円のマンションなら4000万円から3500万円まで値下がりしたようなものです。
中国の不動産価格は、2010年にピークをつけて以来過熱を牽制する政策により価格の下落傾向にありましたが、2013年から再び上昇に転じてピーク時の水準に付けて年末にかけて横ばいを続けていました。
ところが、中国四大銀行の一つ興業銀行が不動産融資を止めたことから、中国の不動産市場は転換点を迎えると判断されたことがキッカケです。
怒り狂った住民が、販売事務所を襲ってマンションの模型が破壊されるなどしました。
皆さん、マンションの販売センターにある模型っていくらするかご存知ですか?
あれ、普通に100万円くらいします。
中国の大規模開発の模型だと日本の相場で1000万円くらいすると思います。
まあ、それくらい怒り狂っていたのでしょう。
中国の人は、怒りにリミッターがかかんないから暴動・略奪がすぐ発生するんですね。
年間20万件の暴動が起こるんですから。
しかしながら、日本でもバブルがはじけたときはデベロッパーが値引き販売をすると先に買った住民が怒って騒ぎにはなりました。
でも暴動までは起こりませんから、民度が違います。
バブルの崩壊過程で、先に買った住民が「金返せ!」と騒ぐのも心情的に理解できなくもありません。
もっとも、その理屈が通るならバブルの始まりの頃に買った住民の皆さんは、価格が上がったときデベロッパーに値上がり分を払ったという奇特な人はいません。
投資なら当たり前なんですが、家=財産という人は投資じゃありませんから補償をもとめたくなる気持ちはわかるんです。
でも法律的には救えなかったですね。
そろそろ始まるのでしょうかと思いたいところですが、中国の李克強首相は極めて優秀なエコノミストだと思います。
侮れない人物ですが、中国のバブルも(非公式推定を含めると)前代未聞の規模です。
李克強首相自身が述べていますが、中国の統計は信用できません。
非常に恐ろしい喩えですが、バブルがはじけたとき、鉄道なら止まっても問題ありませんが、飛行機は墜落します。
李克強首相ほどのエコノミストでも、軟着陸は難しいうえに権力抗争に巻き込まれている彼が市場をコントロールできるとは思えません。