何の店だかわかりませんが、店頭にホワイトボードに手書きで書いてありました。
「横井庄一さんがグアム島で発見された日」
終戦を知らず、30年もジャングルに隠れていた元日本兵の横井庄一さんが発見されました。
「恥ずかしながら、帰ってまいりました。」
「恥ずかしながら」が流行語になってしまいました。
30年も一人で生きていたこともさることながら、ジャングルジャケットを着ていたんです!
洋服の仕立て師だった横井さんは、何を材料にしたんだかジャケットを作っていたのには私ど肝を抜かれましたよ。
ドラマ「SPEC」に登場する竜雷太演じる野々村係長は
「ヨッコイショー イチ!あ、横井庄一と言ってしまった!」
という寒いギャグを飛ばしますが、私も言います。
横井さんが出てきたおかげで、他にもいるんじゃないか?と捜索が始まります。
それで、先日91歳でお亡くなりになった小野田寛郎さんが発見されることになります。
小野田さんは、横井さんとは違って軍人でした。
ジャングルに隠れるとき、上官から
「自殺も投降もするな。この命令は自分しか解除できない。」
と命令したんだそうです。
まあ、罪な命令をしたわけで、命令した本人は日本に帰って奇跡の復興を遂げた日本で何不自由なく暮らして部下はジャングルで30年作戦をしていたのです。
小野田さんは、逃げているんじゃなくて作戦していたと考えていたわけで報道されないですが、ゲリラ活動をしていたようです。
作戦遂行の証でしょうか、ジャングルジャケットじゃなくて軍服のまま現れました。
その表情も軍人でした。
罪な命令というのも、小野田さんの上官はそのときまだ存命だったから直接命令を解除できたけど、
死んでたら小野田さんもジャングルで死んでいました。
「自分、不器用ですから。」
高倉健じゃありまぜんが、小野田さんの融通の利かなさは恐るべきです。
いくら作戦遂行とはいえは戦争が終わってですよ、30年もゲリラ活動をやられたフィリピンのルバング島の住民はとんでもなく迷惑していました。
いや、迷惑じゃ済まねえ!って言われるでしょうなあ。
もちろん、日本じゃ報道されませんけね。
小野田さんも、知らぬこととは言え長年ご迷惑をかけたお詫びにルバング島を訪れて、地元の小学校に1万ドル寄付します。今の1万ドルは100万円ですが、当時は360万円ですかね。
それでも、地元の人たちは怒っていたみたいです。
もちろん、日本じゃ報道されませんけどね。
横井庄一さんの発見された日ですが、やっぱり小野田さんの方に興味を惹かれます。
天は人に試練を与えますが、お二人の試練は南国の神々より北欧の神々クラスの重さです。
北欧の神々は試練を与えるだけで救いはしません。
よく耐えた横井庄一さん、よく克服した小野田寛郎さん、昔の日本人は凄かったですね。
お二方のご冥福をお祈りします。