フィンランドのノキアが、マイクロソフトに携帯電話事業を売却することになりました。
ノキアと言えば、ちょっと前までは携帯電話業界の巨人で、その開発力には国内メーカーはかなわないと言われてました。
あっという間に凋落してしまいました。
ノキアの前の携帯電話業界の巨人は、モトローラで政治力を使って日本の独自方式の他モトローラ方式を採用させたメーカーです。
こっちは、ノキアより先にグーグルに買収されています。
このどっちも世界最大のメーカーだったわけで、こんなことになるなんて本人も周りも思っていなかったでしょう。
スマホの先駆けだったカナダのブラックベリーも虫の息だし、想像もつきませんでした。


この3社に共通しているのは、独自に技術開発して輝いたあとその技術にこだわって時代の流れに乗り遅れたこと。
日本の電機メーカーに共通するような凋落パターンです。
日本メーカーとの違いは、専業メーカー(あるいは専業に近い)であること。
利益のほとんどをスマホで稼いでいるサムスンも、凋落3社と同じようなものです。
ただし、3社と違うのは独自技術開発をしていないこと。
アップルのアイデアとデザインを真似て、グーグルの開発したAndroidOSを提供してもらうという、メーカーというより企画会社みたいな会社です。


開発コストも時間もかからず、開発に失敗するリスクもありません。
そういう意味で、優れた事業モデルですが、模倣しやすい。
事業モデル自体が「模倣する!」というものだから、中国がもっとも得意とするものです。
だから既にその模倣は始まっています。
中国のファーウェイやZTEらが廉価版スマホを出して、サムスンを市場から駆逐しています。
そこでサムスンは、高級化路線を走ろうとしています。かつて、日本メーカーが辿った滅びの道です。


マイクロソフトがノキアを買ったのは、「責任を取らされた」のかもしれません。
ノキアが独自OSをあきらめ、ウィンドウズOSでアップルとグーグルを相手に戦おうと持ちかけたのがマイクロソフトで、それが市場に受け入れられなかった。
したがって、ノキアは別の飯の種を見つけ携帯電話事業をあきらめてマイクロソフトに「責任取ってよ!」と迫ったのでしょう。
マイクロソフトも「あわわわわ、でも出来ちゃったものは仕方ないか。」というものだと思っているんですけど、当たっているんじゃないかなあ!?