小泉純一郎首相の頃、靖国神社参拝を巡って日中関係が悪化したとき、マイケル・グリーン東アジア担当大統領特別補佐官が「そんな単純なものではない。」と看破していました。
グリーンの考えは、
古代から東アジアは、中国を中心としての秩序があった。
天子が真ん中にあり、その周りに内臣、外臣があり、その外に朝貢国があって、そのさらに先は南蛮、東夷、北狄、西戎という野蛮人の世界があるとしていたわけです。
ところが明治維新で近代化した日本と清の躓きで、日清戦争に中国が負けてから百数十年立場が逆転してしまった。
21世紀になって、再び中国のGDPが日本を抜いた。
中国が古代型アジア秩序を取り戻すには、日本が目の上のタンコブである。また、日本には中国が過去経験したことのない脅威と見えているわけで、短期的に関係が改善するはずがない。
2010年に中国はGDPで日本を抜いて世界第2位となりました。現在のGDPは中国136:日本100くらいになっています。軍事力では中国が世界第3位、日本が第17位です。
2020年には中国のGDPはアメリカに追いつくとも言われています。そうなれば、日本は中国に逆らうことができなくなります。
そうなって、ようやく反日は終わるわけですが、代わりに日本を見下す侮日になるわけで日本は韓国みたいに事大主義の伝統はありません。
今の韓国みたいに中国に媚びへつらう友好関係は望まないわけで、どういう関係になるんだか?
ちなみに,中国のGDPは非常に効率の悪い投資に支えられています。
すなわち、十大鬼城(ゴーストタウン)とか、供給過剰の設備投資などリターンを生まない投資が多いのです。
それで、4割が水増しだと言われています。
だから、本当に中国のGDPが日本を追い抜くのは今年なのかもしれません。
さらにちなみに、この無理な投資で支えられる成長率が7%台ですでに中国の潜在成長率は5%台になっているという見方があります。
「保八」といって、年8%成長が中国共産党一党独裁体制の正統性を理由付ける根拠としてきました。
経済通の李克強首相は、バブルを軟着陸させるために敢えて成長率を抑えているとしています。
汚職官僚が5年で6000人以上逮捕されるなど改革を進めています。
これが奏功するか、既得権者が逆襲するのか興味深いところです。