憲政史研究家の倉山満氏がVoice 8月号に寄稿した文章に面白いものがありました。
中国史のパターンを図式化したものです。
1.新王朝、成立
2.功臣の粛正
3.対外侵略戦争
4.漢字の一斉改変と改竄歴史書の作成
5.閨閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁
6.秘密結社の乱立と農民反乱の全国化
7.地方軍閥の中央侵入
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時々逆行したり、順番を飛ばしたりするものの、中国史は数千年このパターンを繰り返したというのです。
じつに面白い。全くそのとおりです。
中国史に詳しい私から、ちょっと説明を加えるなら・・・
2は、権力固めのためにライバルとなるかもしれない有能な将軍を殺すこと。
3については、中国共産党は建国前にチベット、ウイグル、内モンゴルを侵略し、現在は南シナ海、東シナ海を侵略しています。
4は、簡体字を作りましたが、清朝の正史はまだ編纂していません。その代わり、日本との関係について歴史をねじ曲げています。
5閨閥というのは、皇后の一族のこと。それらが権勢を振るうということで、温家宝前首相の一族が巨額蓄財していたようなこと。
6は気功集団「法輪功」のような集団ができ、暴動が1日500件も起きることです。
7だけが、まだ起きていません。
準備段階は終わりました。
あとは、仕上げを待つばかりです。
同じ8月号の中で、京都大学の中西輝政名誉教授も同様の見解を述べています。
ところが、今回は従来とちょっと違った1への戻り方になるということです。
中国が統一国家でやってこられたのは、一種の鎖国状態にあったからです。
現在のような対外依存する中国は分裂しかなく、しかもそれは不可逆的だという指摘があります。
ヨーロッパのような小国に分裂して行くという、ジョージ・フリードマンの「100年予測」が的中する日が近いようです。