安倍さんは初めて総理大臣となった前回は、中国を真っ先に訪問しました。
今回は、東南アジアを歴訪しました。
それも中国からひどい目に遭わされている国ばかりです。
これを中国は、中国包囲網を作ろうとする挑発行為と認識しています。
中国は、海洋大国となることを宣言しており、あからさまな領土的野心を剥き出しにしています。
ベトナム、インドネシア、フィリピンは次々と中国に島しょ部を実効支配されています。
そして、東シナ海、南シナ海から西太平洋までを支配しようとしています。
アジア諸国をフィンランド化しようとしています。フィンランドは冷戦の間、形のうえでは独立を保っていました。
しかし、軍事力でソ連邦に対抗できようはずもなく、言いなりになっていました。
民主的な議会と資本主義の制度を維持したまま共産主義国の支配下になることをフィンランド化と言うようになりました。
中国は、アジア諸国をフィンランド化して、アジアからアメリカを追い出そうとしています。
アメリカは、中国を将来の市場と考えていたのですが、アメリカを追い出して市場になるどころか、競争相手にしかならずアメリカと覇権を競う相手にもなろうとしています。
いかに中国に甘いオバマといえども、もう中国を許しておけません。
アメリカが作ろうとしている包囲網は、北を抑えるロシア、東の韓国、日本、台湾、ちょっと離れたオーストラリアから成り、さらに南のインドと西のトルコを含みます。
この7つの国と地域のGDPは15兆ドルでアメリカとほぼ同じ。軍事費は2兆2000億ドルになります。
GDPも軍事費も中国の2倍、アメリカを加えるとGDPが30兆ドルと軍事費は3兆ドルになります。
アメリカの中国包囲網は、かくも壮大なものです。
ロシアとトルコがなぜ包囲網に加わるかというと、ロシアに関しては中国が最近ロシアのウラジオストクなど、150万平方キロメートルを中国の領土だと言い始めたのです。尖閣も他人事ではなくなってきました。
トルコに関しては、中国がイランを援助して核兵器を持てばその標的になるからです。
ここにASEAN諸国が加われば、壮大かつ強力な包囲網が完成します。