「松に鶴」って昔から言いますし、花札だけじゃなく絵にも描かれます。
しかしながら、鶴は松にとまりません。
あれは、鶴じゃなくてコウノトリなんです。
中にはこんな画像もありましたが、こいつは明らかにアオサギです。
サギの仲間で日本最大の種類です。
実は、トキがアメリカでの研究の結果従来、なんとペリカンの仲間だったというんです。
人は見かけによらぬもの、と言われますがむしろ生物の分類こそ見かけで判断できません。
昔は、それしか判断のしようがなかったから仕方ありますまい。
見かけによらないのも理由があります。
エサも含めた環境に適合するように生物は進化します。
たとえば、ダーウィンが研究した小鳥のフィンチは、エサによってクチバシの形が異なります。虫をエサにする種のクチバシは細く、堅い木の実を食べる種のクチバシは太いのです。
これは絶滅した巨大肉食鳥類のガルトルニスです。
クチバシがなきゃ肉食恐竜!
ワシのようなクチバシをしています。
でも、最近まで鶴の仲間と考えられていました。
今でもよくわからないんですが、カモの仲間?じゃないかと考えられています。
結局、食い物で体の形が決まったりします。
なにしろ、初期の魚類であるサメと、爬虫類であるイクチオザウルス(イクチオは「魚」、ザウルスは「トカゲ」の意味)と、哺乳類のイルカが非常によく似た体型をしています。
生物学上の分類で、動物の中でもかけ離れた種にも関わらずです!
これを生物学上「収斂進化」と言って、進化の基本的な法則と認識されています。
近年は、分子生物学の発展で遺伝子レベルで分類ができるようになりました。
それどころか、その種が別の種類からいつ頃分かれたのかもわかるようになりました。まあ、絶滅したガルトルニスみたいな種には応用できません。
今回の研究もそうですが、これからも私たちが驚くような成果が発表されることでしょう。