私は民主党の古川元久衆議院議員が
「通信を自由化したとき、通信スピードは何十倍も早くなって料金は劇的に安くなりました。
電力も自由化したら同じようなことが起きるでしょう。」
と語っているのを見て腹が立ちました。
コイツはとんでもない噓つきです。
わからないでいい加減なことを言っているのではなく、充分わかっていて国民を騙そうとしているからです。
今の民主党の原発ゼロ+再生可能エネルギー定額買取制度の下では、確実に電力料金は高くなります。
それをわかっていながら、安くなるなど心の中では赤い舌を出していることでしょう。
原子力以外の発電方法で、現在の発電効率を劇的に上げる可能性はほとんどないのです。
GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル発電)で、現在約50%近い熱効率を上げています。
日本が誇る世界最高水準の技術です。
これを2倍の効率にすることはできません。
電力事業をITに例えて言うのが明らかに間違った誘導なのです。
むしろ、水道事業に近いと言うべきでしょう。
それを一番わかっているのがマイクロソフトのビル・ゲイツ会長です。
ゲイツ氏は、太陽光発電事業と次世代原子力発電事業の会社に出資しています。
その中で、太陽光事業には大きな期待を持っていません。
太陽光発電が10倍安い電力を供給できるようになり、蓄電技術の問題を解決し、送電網が調ったとしても、
原子力にこそ可能性があると述べています。
しかし、その歩みはITと違って安全性に最大限配慮して慎重にすすめなければならない、
非常に時間がかかると言います。
ゲイツ氏が出資するテラ・パワー社は、何度も紹介したように劣化ウラン(ウラン235を濃縮した残り滓)またはトリウムを燃料とする画期的な原子炉の開発をしています。
上が劣化ウランの燃焼で中性子を当てることでジワジワとプルトニウムに変わります。
下がトリウムで同様に2回のベータ崩壊過程を経てウラン233に変わって燃えます。
一度燃料を入れると廃炉まで60年間ゆっくりと燃え続け、中性子源を与え続けないと消えてしまう。
つまり暴走しない画期的原子炉です。
それは、東芝のモジュラー型原子炉の技術のかなりの部分を流用できます。
福島の悲劇は、安全性のハードルを高くしました。
しかし、我々は40年前とは違って、正確なシミュレーションをする技術を手に入れています。
したがって、我々がパッシブセーフティー(受動的安全性)のハードルをとてつもなく高く設定したとしても気にする必要はありません。
そして、ゲイツ氏は若い研究者、技術者にお金とチャンスを提供しています。
私としては、ビル・ゲイツ氏に全く賛同するとともに、太陽光発電で金儲けしか考えない孫正義には断固反対します。
できれば、ゲイツ氏にはトリウム型原発で技術を完成させる方向でお願いしたい。
原発は必要と考える私でも、ウラン型原発はもう作って欲しくありません。
核のゴミ問題まで含めて解決できるトリウム型原発は、資源量も多く1000年はエネルギーに困りません。
日本でも、こういうことを国がやらなくてはいけないのに、民主党政権は逆方向を向いています。
国益より選挙に頭が向いています。
民意が必ずしも正しいとは限りません。
安倍首相が誕生したら、国民の目を覚まさせてもらいたいと願っています。