山形県と酒田市は、庄内海岸に大規模な風力発電所を建設する計画を立てています。
場所は県立自然公園内にあり、民間業者が風力発電所の計画を申請したとき県は、景観保護を理由に許可しませんでした。
それから、わずか2年で許可しなかった県自身が建設計画をするとは。
それも6基合計で、たかだか1万3800キロワットです。
そんな申し訳程度の発電容量のために、自分で決めた県立自然公園の景観をぶち壊すなどナンセンスです。
デンマークという国は、風力発電が盛んで海岸線に風力発電所が林立して景観も何もあったもんじゃないそうで、「日本はやらない方がいい。」と地元の人が青山繁晴さんに語ったと言います。
海外では「バードストライク」が問題になっています。
風力発電所の立地というのは、風通し=風の流れを判断して決められます。
これが鳥が飛ぶラインと共通しているのです。
風力発電所の立地に適している所を鳥も好むのです。
風力発電所によって、アホウドリが絶滅しそうになった地域があります。
よく見る3枚ブレードの風力発電機は直径80メートルもあります。
それがいくつも並んでいるのですから、航空機のバードストライクとは頻度が桁違い。
ブレードのスピードは、音速まではいかないにしても非常に高速です。
ここを通過するアホウドリの首はギロチンにかけられたように、スッパリ切れます。
胴体も真っ二つになります。
で、どうしたかというと絶滅しそうなアホウドリが渡りの時期に注意して、渡りが始まると風車を止めます。
時期を限ることで、発電量の低下を最少に抑えてアホウドリを守ることに成功しました。
その代わり、絶滅しそうにない鳥には相変わらず断頭台となっています。
日本の場合は、海上に建設されることが多いと思われるので、鳥の好むラインとは重ならないかもしれませんが懸念はあります。
日本の計画では、魚の海上養殖場を兼ねるものがあります。
魚に惹かれて集まった海鳥が、スパスパと切り刻まれ逆に魚の餌になるかもしれません。
日本の場合は、沿海部が漁業権でがんじがらめですから、種子島宇宙センターのロケットだって通年打ち上げできなかったのはこのせいですからねえ。
洋上風力発電は、日本の場合漁業権との戦いになるんでしょうなあ。