普段、不動産屋の仕事について書きませんが、それは読んで面白い話じゃないからです。
今日は、ちょっと珍しい話があるのでご紹介します。
東京都の下町、と言ってもJRの駅からほど近い商業地があります。
そこに15~16坪ほどの借地にビルを建てて、店舗兼自宅にして住んでいる方がいます。
その方からの相談で、今の商売を畳んで借地権付ビルを売りたいというのです。
というのも、借地の賃料が高くてやっていけないというのです。
調べてみると、その土地の固定資産税等の約30倍の賃料を払っていました。
通常は3倍程度なのです。
はっきり言って暴利行為ですが、それを悪徳地主に言われるまま払ってきた本人の責任も大きいのです。
こんなベラボーな賃料では、買う人が現れるわけがありません。
そこで、本日は弁護士さんに法律相談してもらいに、お連れしました。
(依)「借地権付ビルを他人に譲渡するのは絶対認めないと地主に言われています。」
(弁)「それは、裁判所が地主の承諾に代わる決定をしてくれるので、承諾料にあたる金銭も非訟事件手続でやってくれます。」
(私)「とはいえ、この異常に高い賃料で買う人はいないので、賃料減額を先にしなければなりません。」
(弁)「賃料減額訴訟って少ないんですよ。ここまで異常な例が少ないから。非訟事件だったかな。」
(私)「いや先生、非訟事件は譲渡承諾と条件変更じゃなかったですか。」
暫し調べて、
(弁)「賃料減額訴訟は、通常の訴訟です。調停前置主義で最初に調停が入ります。こういう簡単な書式で、印紙を貼ります。減額幅の1年分だから○○○○円ですね。」
(私)「あと、予納郵券が必要で、不調で本訴になった場合の印紙代は調停の印紙代を差し引いた額でいいんです。」と妙に詳しい私。
(弁)「調停が○○簡易裁判所で、ここから遠いんですよ。しかも、調停は時間がかかって半日潰れるんです。代理人になってもらえませんかね。」
普通の裁判では、弁護士しか代理人になれませんが、訴額140万円までの簡易裁判所では裁判所の許可を取って一般人も代理人になれます。
そこで、弁護士さんと依頼人が私を見るんです。
「私ですか!?」
詳しい解説は明日にします。