IMFの専務理事クリスチーヌ・ラガルドさんが、「円は過剰評価されている。」と発言したそうです。
至極まっとうな発言です。
現在56歳という年齢ながら、大変お美しい。
美しい!
若い頃は、モデルや女優のように美女と称されていただろうと思います。
この方、ギリシャ人の脱税が多いと発言して、ギリシャ人の猛反発をかいました。
でも、ギリシャの財務大臣があっさり「その通り。」と認めてしまったのです。
「ギリシャの脱税額は、ギリシャのGDPの12%~17%にも達している。この半分が徴収できれば、ギリシャの問題は解決する。」というのです。
ギリシャの国民負担率は、2009年で約26%です。
国民負担率というのは、国税と地方税の合計の国民所得に占める割合のことです。
言い替えれば、GDPに対する税の割合です。
ということは、税の半分以上取りっぱぐれていることになります。
考えてみれば、ドイツ国民の納めた税がギリシャの脱税者の穴埋めに使われるわけで、ドイツ人としては「冗談じゃねえ!」と怒って当たり前。
アンゲラ・メルケル首相は、こんなドイツ国民の不満を知りながらもユーロを支えなければなりません。
ドイツは、弱い通貨のおかげで、輸出産業は非常に強い競争力を維持しています。
自動車業界で、ちょっと前まで日本企業は世界で最も利益をあげていました。
ところが、昨年は震災とタイの洪水があったとはいえ、ドイツと韓国という両通貨安国のメーカーに抜き去られてしまいました。
もし、ドイツが世界一強い通貨マルクに戻ったら、日本円とスイスフランに向かっていた投機筋が一斉にマルクに集まり強烈なマルク高になります。
そうなると、今は最強のドイツ産業もあっという間に価格競争力を失います。
ギリシャがユーロ離脱するのは時間の問題です。
しかし、もしもギリシャ人がまともに税金を納めるようになれば、留まることができるかもしれません。
その可能性がどのくらいあるかというと、やっぱりほとんどゼロでしょうねえ・・・