中国大使館の一等書記官がスパイではないかとされている問題は、「農林水産物等中国輸出促進協議会」が北京で日本の農産物を展示販売する事業に関するものです。
この団体の代表というのが、鹿野道彦農水相のグループに属する衆議院議員の元公設秘書です。
問題の一等書記官と関わっていた時期は、「元」ではなくて「現役」の秘書でした。
李春光書記官は、日本の米を中国で20万トン受け入れると持ちかけてきました。
20万トンの市場ができれば、TPPで市場開放と価格下落を心配する農家には非常に大きいメリットです。
中国は、アメリカ主導のTPPより日中韓FTAに日本を引きずり込むエサとして、この事業を利用したと見られています。
じつは、この問題は参議院予算委員会で質問されていました。
自民党参議院の爆弾男、西田昌司議員が追及しています。
この人は京都の税理士さんから政界入りした方ですが、なんだかスゴイ情報網を持っていてしばしば国会で衝撃的な問題提起をされています。
これは、鹿野農水相のグループ衆議院議員の個人的ビジネスではないのか。
そして、なぜ今年の1月には展示が行われているはずだったのに、未だに行われていないのか?
さらに、
中国に米を輸出するには、薫蒸処理をして害虫の発生を防ぐ必要があります。
ところが李書記官はその必要がないと伝えたので、薫蒸しないサンプルを中国に送ったら、中国の通関当局はそんな話は知らないと、サンプルを廃棄処分してしまいました。
結局1億8000万円の金だけ騙し取られた格好です。
西田議員は、鹿野農水相のグループ議員が個人ビジネスで民間企業から金を集めて、挙げ句にサンプルの米を中国当局に廃棄処分されるとは何たるずさんさか、という質問をしたのです。
それが、中国のTPP潰しと、大使館員のスパイ活動、それに外交官によるビジネスを禁じたウィーン条約違反に発展するとは西田議員自身も予想できたでしょうか?
実際問題、農水省の機密文書のうちでも最も機密性の高い「機密性3」の文書が5件、その次の「機密性2」の文書が5件、李書記官に漏れていたことがわかっています。
筒井信隆農水副大臣は、否定していますが冒頭の団体代表がもらったと証言しています。
嘘つきは民主党の始まりといわれるくらいですから、ウソなのでしょう。
(最近面白かったのは、菅元総理の国会での証言です。「東電から情報がなかった。」とか自分の責任逃れをする場面で気色ばんだとされるところは絶対ウソです。人間の心理からしても、ウソをついているのがバレバレで、こんな奴を首相に選んだ国民は長く不明を恥じなくてはなりません。)
問責2閣僚のクビは近く飛ぶ予定ですが、次は鹿野農水相の番です。
西田議員はまた忙しくなりそうですね(^^;)