カボチャの原産地は南北アメリカ大陸なんだそうです。
アメリカに移民した人々は、甘いものに飢えていたので、カボチャをパンプキンパイにして楽しんだと言われます。
じつは私もカボチャは好きなんです。
ずぼらなもので、あの堅いカボチャを薄切りにしてレンジでチンするだけですが、いいですよ。
砂糖も加えないのにあの甘さ、開拓時代のアメリカの人も癒されたのでしょう。


日本でカボチャと呼ばれるのは、ポルトガル人がカンボジアの産物と紹介して持ち込んだからです。
原産地とは関係ないんですね。
唐辛子も「唐」の字がついていますが、ご存じのように南米の原産です。
「唐」の字も「外国産」という程度の意味。


さて、そのカンボジアという国ですが、ベトナムに接しているせいで、ベトナム戦争のとばっちりから内乱が続きました。
北ベトナムへの補給を断つためアメリカが空爆し、親米政権とポル・ポト率いるクメールルージュ(赤いクメール)という共産勢力が争います。
旧宗主国フランスに留学していたポル・ポトは、過激な共産主義思想に染まります。
親米政権を打倒したポル・ポトは、原始共産主義を行い、学者や教育者、僧侶、公務員、芸術家など知識階級を皆殺しにしたり、貨幣を廃止したりと、およそ近代国家とは縁遠い国家運営を行います。
現在、1400万人くらいの人口のこの国で、200万人以上虐殺されたというのです。


その後、ベトナムの介入でポル・ポト政権は倒れたものの、内戦が続きます。
1992年になって、ようやく国連のもと平和協定がまとまって、現在に至ります。
国が落ち着いてから20年しか経っていないわけで、アジアの最貧国です。
最近では、韓国企業が進出して人件費の安さから製造業が盛んになっています。
ユニクロの999円ジーンズもカンボジア製です。


そんなわけで、カンボジアは今後急速に経済発展するでしょう。
これまでスポーツをするどころでなかった国民も、スポーツを楽しむ層が増えることでしょう。
マラソンのカンボジア記録は、国際B標準に約5分及びません。
スポーツ人口が増える4年後までに、カンボジア記録が参加標準記録に届かないという考えはあまりにもカンボジアに失礼ではないのかと思うんですよ。
というか、今年中にもブンティン選手が国際B標準はおろかA標準を突破するでしょう。
カンボジアの英字紙によると、カンボジア人より遅い日本から国籍を移したばかりの日本人がオリンピック出場が消滅したことをカンボジア人は喜んでいるそうです。


ブン・ティン選手が参加標準記録を達成すると、標準記録未達成国の特例枠は消滅します。
日本企業は、女子マラソンの有森裕子さんとともにカンボジア人選手の育成に取り組んでいます。
ブン・ティン選手以外にも速いランナーを育成するでしょう。
ロンドンの次を目指すならカンボジアも裏切って、もっと貧乏で人口の少ない国に国籍を変える必要があります。
こんどは、どこの国の国籍を取るつもりなんでしょうか猫ひろし。