国連が2083年に世界の人口が100億人に達すると予測したことを発表しました。
予測には4通りありました。
2011年の世界人口70億人を起点として、
①特殊合計出生率が一定(出生率が下がらない)以下特殊合計出生率を単に出生率という
②高位(出生率が2.6まで下がる)
③中位(出生率が2.1まで下がる)
④低位(出生率が1.6まで下がる)
まず、ありえないのが①です。
これで計算すると2083年の人口は184億人です。
ナイジェリアの出生率5のままだと、とんでもない貧困と飢餓が待っています。
④も世界中が日本、ロシア、中国、ドイツ並みになるということで、考えられません。
現在の先進国の出生率が2.1であるので、中位予測がもっともありそうな予測値ということです。
2083年以降の世界はどうなっているのか予想したのが以下の表です。
2100年の国別人口を示しています。
これでいくと、中国に人口が現在より4億人くらい減ります。
これは、恐るべき社会が到来しているであろうと予測できます。
先日のブログで書いたように、日本の高齢者1人を3人で支える「騎馬戦型」から、1人が1人を支える「肩車型」になるって騒いでいます。
しかし、中国は1人が両親と2組の祖父母計6人を1人が支える「雑技団型」になると書いたことが、数字的に裏付けられています。
この頃の中国は、未だ中所得国から抜け出すことができず、高齢者の福祉に金がかかる非常に生産性の低い社会になっているでしょう。
「人口オーナス=人口の重荷」と、どのように闘っているのか想像もつきません。
日本が意外に減っていません、フランスみたいに人口増加に転じるという予想でしょうか。
このあたりで留まっていれば、日本は安定した社会であり続けることができるでしょう。
アメリカはというと、現在の人口の1.5倍ほどに増えています。
相変わらず豊かで活力のある社会であると思われます。
アメリカの場合は、自然増のほかに移民の受け入れもあるので、この頃にはヒスパニックとアジア系がマイノリティではなくマジョリティになっているかもしれません。
現在のアジアは、世界の人口の6割を抱えていますが、2053年頃をピークに人口が減少に転じます。
一方、アフリカは現在世界人口の15%弱ですが、2100年には3.6倍に人口が増えて世界の35.5%にもなります。
おそらく22世紀初頭には、アジアの人口を抜くでしょう。
しかし、アフリカの苦難は22世紀まで続きます。
衛生状態が改善されて、乳児死亡率が下がり多く産まなくても済むようになり出生率も下がります。
それでも人口は爆発的に増えます。
そのアフリカの人々が幸せならよいのですが、不幸な36億人になりそうです。
アフリカ大陸は100年先も混乱の大陸でしょう。
ジョージ・フリードマンの「100年予測」では、アフリカは第一次世界大戦前のヨーロッパのようなものだと言います。
小さな部族間の争いが絶えず、血で血を洗う抗争が果てしなく続く殺し合いを100年以上続けて、やっと愚かしい戦争を永久に止める枠組みを考えはじめました。
アフリカは、非常に細かいモザイクのような民族と言語が交錯した地域です。
これは、かつてのヨーロッパに似ています。
違うのは、アフリカが貧しすぎるところです。
この大陸が、100年後どうなるのか?さすがのインテリジェンス専門家であるフリードマンでさえ予測できません。
基本的に、「ろくでもないことになっている。」でしょう。
まあ、あまりにも未来の話なんで、今日はここまで!