中国が殲20に続いて、殲60を開発中という報道がありました。
殲20は、アメリカのF22ラプターに対抗する機体とされています。


重量が30トンにもおよぶ巨人戦闘機で、アメリカのF111戦闘爆撃機に匹敵するサイズで、恐らく空母に搭載不可能ではないかと思われます。実戦配備は、中国の発表で、2017年から2019年、アメリカの専門機関の想定も2018年とされています。


中国の空母が本格的に稼働するのは10年後になるでしょう。
中国の艦載機は、ロシアのSu-30をコピーした殲15がありますが、10年後にはF35に対抗し得ない旧式になっているはずです。
したがって、アメリカのF35に対抗する機体が欲しいわけです。
そこで、機体重量20トンの殲60が開発されることになったというのです。


すでに、水平翼が3組あるという写真が中国の軍事筋のサイトにでているというのですが、信じられません。
Su-30もSu-27フランカーにカナードを追加して、水平翼が3組ありました。しかし、カナードがなくても機体の制御ができるようになったため、後にカナードを廃止しています。
ひらのXX的日常-su30

電波反射源となるカナードを付けているというのが、中国のステルス機の特徴です。
しかし、それは変です、「『かなーど』デ、電波反射スルアル。」と言っているようなものだからです。


とりあえず画像検索では、こんな小型のモックアップが出てきました。
ひらのXX的日常-j60

噂の水平翼が3組のものではありません。
翼の構成とエアインテイクのデザインはF35そのものです。
やはりカナードは廃止するのでしょうか。
ステルス機の外観上の特徴は、翼の角度が揃えてあるというほかにもあります。
キャノピー(風防)回りの機体のラインが滑らかにキャノピーに繋がっているのです。
もし、機体をペンキで一色に塗りつぶしたら、どこからキャノピーのグラスになっていると判別がつかないでしょう。
その点からも、この機体は始めからステルス機を想定した設計がされています。


日本のステルス実証機「心神」は、キャノピーをとっくに退役したF1戦闘機のものを流用しているのです。
日本は、防衛予算が毎年削減されているから仕方ないですねえ。
ところで、心神は、フランスでRCS(電波反射面積)を測定しています。
アメリカの実験施設に使用を拒否されたからです。
アメリカは、まだ日本が21世紀のゼロファイター(零式艦上戦闘機;いわゆるゼロ戦)を作ることを恐れています。
しかし、アメリカにとっても同盟国が中国より優れた兵器を持っているのは国益にかなうと思うのですが。


中国は最近、軍事技術を故意にリークしている節が見られます。
かつてのソビエト時代、ソビエト製の戦闘機についてアメリカが過大評価していたことがソビエト崩壊後わかってきました。
今の中国は、自ら過大評価した情報をリークしているようです。
それは中国の接近阻止戦略の一貫で、アメリカにうかつに接近することを躊躇させるものです。
実際はどのくらいの性能なのか、戦ってみないとわかりません。
ただ、2007年に中国はロッキードマーチン社からサイバー攻撃で、F35のデザインとエレクトロニクスに関する数テラビットの情報を盗み出す(中国の表現では『独自開発』と言います。意味は『コピー』。)ことに成功しています。
エンジンが双発であることを除けば、殲60のデザインはF35に酷似しているのも当然です。
自衛隊の次期主力戦闘機に選定されたF35は、エンジンが一基にも関わらず、ライバルの双発機を上回る出力を誇ります。
中国には、これに対応するエンジンがありません。双発にしたのは必然です。
エレクトロニクスについても、F35のコピー技術が使われているとすれば相当手強い敵になる可能性はあります。
中国の『独自開発力』は恐るべきものがあります。
形あるモノなら、なんでも『独自開発』(コピー)できると考えています。


性能以外での西側戦闘機と、ロシア・中国の戦闘機の違いは、西側戦闘機が整備性が良くメンテナンス間隔も長く取れて稼働率が高いという特徴があります。
しかしながら、中国は有り余る軍事費で、その分数多くの機体を生産して補うことができます。
すぐ壊れても西側戦闘機の性能に匹敵するなら、大量に作ればいいのです。
これをロシアは、真似できません。


でも、アメリカにも恐ろしい罠を仕掛けることができます。
戦闘の真っ最中に勝手に故障する部品を設計に紛れ込ませておくのです。