2010年のTIME が選んだ発明品の中に、遺伝子操作でマラリアを媒介しない蚊を作ったというのがありました。それとレーザーで飛んでる蚊を撃墜するという冗談みたいな発明もありましたよね。
今回また面白い、というか蚊にとっては悪魔の発明ともいうべき発見がありました。


メスの蚊の羽を動かす筋肉を破壊する遺伝子が発見されたんです。
オスには何の影響もなく、メスにだけ致命的な遺伝疾患となるのです。
この話、まえに書きましたっけ?
ちょっと前の話なんで忘れてたかも。
この遺伝子を持ったオスの蚊を育てて自然界に放ちます。
すると、これらの蚊と交尾したメスの蚊は、オスとメスの卵を産みます。
当たり前ですね。
卵がボウフラになり、サナギになり、羽化します。
そこで、オスの蚊は飛び立つのですが、飛ぶ筋肉を破壊されたメスは水の上に留まったまま死んでしまいます。
手塚治虫の「火の鳥」のストーリーの一つにもありました、女の子が生まれない世界の話が。それ自体が悪夢ですが確実に滅びる世界です。


こうゆう遺伝子操作による害虫駆除のアイデアは今までもありました。
しかし、不妊昆虫を毎年毎年放つ必要がありました。
今回のアイデアは、一度放てば蚊にとって有害な遺伝子を持ったオスが次の世代も産まれるのです。
世代を重ねるほどに、正常なメスの蚊が減っていくということになります。
島しょ地なら充分絶滅の可能性があります。
もっとも、人間の交通手段が発達しすぎて、完全な絶滅は困難かも知れません。


ね、蚊にとっては悪魔の発明でしょ。
マラリアを媒介しない遺伝子操作ならまだしも、蚊を絶滅させかねない発明です。
蚊は、マラリアだけでなくデング熱とか日本脳炎にウエストナイル熱と危険な伝染病を媒介します。
絶滅して欲しいですね。


しかし、本当に蚊を絶滅させることができたら・・・キンチョウとフマキラーは困るだろうなあ。
蚊取り線香のない世界?


いつものように話がそれます。
日本の優秀な蚊取り線香は、東南アジアでも売れているんです。
日本で売られている蚊取り線香は、緑色の渦巻きですが輸出用は真っ直ぐだったり、茶色だったりするそうです。
蚊取り線香って、かつては除虫菊っていうキク科の植物を原料としていました。
したがって、原料の色がそのまま出ていましたが、現在はピレスロイド系の殺虫成分を化学合成で作っているので緑色の染料で着色しています。
ノスタルジーですな。
東南アジアに、そんなノスタルジーは必要ありません。
だから何色でもいいんです。


それに、BOP需要で日本みたいな箱売りじゃないんです。
日本のは、渦巻きが二つ重なっているでしょ。
彼らは、一本ずつバラ売りなんで、真っ直ぐの方がよかったりします。
最近、ハエを見なくなりましたが、東南アジアでは現在も活躍しています。
そんなわけで、「ハエ取り線香」もあるみたいです。
相当強力な殺虫成分が入っているのでしょう。