H5N1型鳥インフルエンザは、人から人に感染しにくく、1997年に出現してから人が感染した例は600件にすぎません。
しかしながら、感染した場合の死亡率が高く60%近くが死亡します。
しかし、 人に感染しやすくなる変異を起こすと死亡率は下がると考えられていました。
ちょうど、タミフルとリレンザが開発された頃、 両剤の耐性株が出現するとすれば、それは非耐性株より感染力が弱いだろうと予測されていたのに似ています。
タミフルとリレンザが、どうして効くのかというメカニズム(=「作用機序」といいます。)は、ウイルスが細胞に取り付いて増殖後に離れることを妨害する仕組みなのです。
原理的に感染力と関係があるわけで、こっちは理由があると思いますが、鳥インフルエンザの毒性と感染力に関係があるのでしょうか?
どうもインフルエンザは私たち人間が予測するように、人間の都合にしたがって変異はしてくれないようです。
タミフルの耐性株の感染力は決して弱くないし、
ウィスコンシン大学マディソン校の河岡義裕(東京大学医科学研究所教授)とエスラム医学セーター(オランダ)のフーシェは、それぞれ致死性が高いまま人への感染力が高まる変異の組合せを発見しました。
それぞれの論文は昨年12月に
アメリカ政府のバイオセキュリティー国家科学諮問委員会によって検閲されました。
これが、しばらく前に話題となった、アメリカ政府の横やりの内容です。
こうした人工ウイルスが研究所から漏れだして、バイオテロに使われる可能性があるということです。
確かに論文を読んでテロリストが人工ウイルスを合成できるとは思いませんが、漏れだす危険性はあります。
論文の発表より、そっちの方が恐ろしいんじゃないですかね?
実際に、自然界に存在しなくなった天然痘の研究用ウイルスに感染して死亡した研究者もいるくらいですから。
と、結論もないまま本日は終わります。