イギリスFinancial Timesの記者が今年の予測をしています。
私の予想では、オバマは再選されないだろうと思っているので、同意しかねる予測もあります。
オバマ以外の予測は同意できるものを選んでみました。


1.ユーロ圏は生き残る。
短期的にはIMF(国際通貨基金)の救済プログラムとECB(ヨーロッパ中央銀行)の支援拡大で、ユーロ圏の崩壊は防げる。
永遠と続く緊縮財政は失敗する。いずれ力強い成長を取り戻し、比較的高いインフレを実現させなければならない。


私が思うに、イタリアは潰せないが、ギリシャは潰すべきだと思いますね
国民の甘ったれがひどすぎるし、国が粉飾決算をするなんて国際的に許してはなりません。
(もっとも、中国の統計もデタラメだから粉飾といえば粉飾)


2.オバマは再選される。
共和党のミット・ロムニー氏が中西部の有権者にアピールできないことと、ロン・ポール氏が出馬してきた。
これによって、票が割れてオバマ大統領が有利に。
しかも、下院で野党共和党が支配しているのに加え、上院でも共和党が過半数を占めるだろう。
再選されても前途は多難。
ひらのXX的日常-OBAMA 写真はバルカン星人のソックリさんです


このロン・ポール氏というのが、極端な内向き政策を主張しています。
韓国、日本を始め海外すべてからアメリカ軍を撤退させるというのです。
実現すれば、アジアの軍事的バランスは中国に大きく傾きます。
おそらく台湾有事にアメリカ軍は間に合いません。
アメリカの財政は改善し、景気は回復するかもしれませんが、安全保障上禍根を残しそうです。

しかしながら、アメリカの大統領選でオバマ大統領の対抗馬が誰なのか未だわかりません。

アメリカも大変ですね。


3.製造業で、米国は中国との差を詰め始める
アメリカは昨年、生産高で世界最大の製造業を誇る国のタイトルを中国に譲った。
その中国は、賃金とエネルギー費用の上昇が中国における生産の利点を減じているため勢いが減速している。
米国では、迅速なデザイン変更や商品配達を求める顧客の希望に応じ、国内生産が拡大している。
製造業の中でも技術的に要求が厳しい分野で中国が米国に追いつこうとしている兆候はほとんど見られない。


労働集約的な製造業は、中国からベトナム、バングラデシュに移転しています。
技術集約的な製造業は、アメリカや日本に回帰しています。

中国は8%成長をし続けないと、国または共産党政権を維持できないとされてきました。

ところが、今年になって7%に目標を下げました。

従来8%目標で、常に実績はそれを上回っていたにもかかわらずです。
アメリカの研究者の中には、今年の中国のGDPはマイナス10%になると推計する人もいるといいます。
不動産バブルの崩壊はすでに始まっていて、不動産価格が40%くらい下がっているため取引が成立していません。
これが回収優先になると、一気にバブル崩壊が顕在化してGDPマイナス10%もありうる話です。
ただ、その研究者の推計が正しかったら、世界経済はとんでもないことになるでしょう。


4.イタリアは2012年を乗り切る
経済学の大学教授であるマリオ・モンティ氏は2011年11月に実務家内閣を率いる民間人首相に選ばれた。
モンティ氏の支持率は前任のベルルスコーニ氏の2倍である。
主要政党は自分たちではやる気もなければ、決してなしえなかっただろう難しい仕事をモンティ氏にさせるだろう。


イタリアという国も驚いたものです。民間人を首相にしてしまうのですから。
政治家より学者の方がうまく国を運営できるなら、政治家は何をしたらいいんでしょう。
ポピュリズムの時代には、選挙で選ばれない学者の方が財政健全化を成し遂げやすいのではないでしょうか。

最近思うのですが、みんなの党って自民党時代の渡辺よしみ代表は公務員制度改革で頑張ったけど、今は

最高にポピュリズムの発言しています。

いくら弱小政党とはいえ、ポピュリズムに流れるのは間違っています。

政治家にポピュリズムの時代は任せられないのかもしれませんねえ。


5.イスラエルはイランを攻撃しない。
イランはEUから経済制裁を加えられて窮地に追いやられるも核開発をやめない。
2012年にウラン濃縮を大きく進めるだろう。
イスラエルがイランを爆撃するのは、イランが核兵器を手にするだろう2013年になる。


イランはイスラム圏ではありますが、アラブ人ではなくペルシャ人でアラビア文字を使いますがアラビア語でなくペルシャ語です。
周辺国と敵対しているわけで、アラブ諸国もイスラエルも両方とも敵です。
イスラエルは最終的にイランの核開発を止められないでしょうが、周辺アラブ諸国もイランに対抗して核武装すると結局イランも核を使用する相手がいなくなります。
イランの核開発は他のどの国よりも核拡散を広げる結果となるでしょう。


6.石油危機は起こらない。
地政学的な混乱のために、世界は2012年にかなりの原油高に苦しめられるだろう。
しかし、1973年のように石油価格が4倍になるという事態は起こらない。


イラン、シリアへの制裁で石油供給は逼迫が予想されるものの、1973年当時と現在では石油価格が違いすぎます。
1バレル=100ドルが400ドルになることはありえません。
それでも原油高になるのは予想されます。
将来的に自動車は電気で走るようになるのは必然でしょう。
そんな時代になっても節電なんて言っていられるのでしょうか。
原子力なしでは、やっていけない時代だということを認識しなくてはなりません。
そのためにも、トリウム原発の開発を急ぐ必要があります。


7.金価格は史上最高値を更新するだろう。


2011年8~9月に金価格はピークをつけました。
1オンス=1920ドルの史上最高価格から年末1600ドル程度に下落しました。
2005年以降急上昇を続けた金も、上昇に一服感があります。
しかし、アジアの新興国とオイルマネーが金を買いあさるでしょうから、アメリカとヨーロッパが落ち着くまでは上昇するでしょう。
今年前半にも2000ドルを超えるのではないでしょうか。
そのあと数年で1000ドルを割るようになると思います。