今年もTIME誌が発明品ベスト50を選びました。
去年までのように、順位付けをしていないのが特長です。
あんまり多いから、どっかに翻訳がないかズルしようと思ったのですが、なかったので自分で翻訳します。


発明家を再発明する
スティーブ・ジョブズの時代は、最終製品を完璧にすることがすべてだった。

誰が最初のアイディアを出したのか誰も覚えていない。
何でもXerox PARCってとんでもない研究機関があって、世界的な発明を数多くしていたんだそうです。
その研究員の名前を並べて、ジョブズはマッキントッシュの革命的インターフェースのアイディアをそこから借りてきたんだそうです。でも、誰も彼らの名前を知りません。誰が最初のデジタル音楽プレイヤーを発明したのか?誰が最初のタブレットコンピューターを、スマートホンを?
彼らは決してTIMEの表紙を飾ることはありませんでした。
ジョブズの才能は他人が発明したものを磨きあげ完璧にすることだったのです。
最初に発明された研究者や技術者が誰一人名前を覚えられていないのに、ジョブズだけ天才として記憶され、TIMEの表紙を飾りました。
たしかに、ジョブズの送り出したマッキントッシュも基本を作ったのはXerox PARCの研究員の誰かだったのでしょう。
iPodだって元々はジョブズのアイデアではありません。
しかし、デザインと操作性を徹底的に磨き上げてヒット商品にする才能は発明者にはありませんでした。
ジョブズが天才であったという意味を考えるには、この記事を読まれるとよいでしょう。


光の場カメラ(THE LIGHT FIELD CAMERA)
Lytro
日本語的発音だと「ライトロ」と読むのでしょうか。
世界初のフォーカスフリーカメラだそうです。
何だかわかんないんですが、その場のすべての光の色、強さ、方向を記録してしまうカメラなんだそうです。
撮った後でピントの位置が変えられるという恐るべきカメラ。
撮影例では雨粒がついた窓越しにビルが見えています。
窓の雨粒にピントの合った写真を外のビルにピントの合った写真に変更できるんです。
想像するに、従来のように平面画像で記録するのではなく3次元データで保存するのでしょう。
それも従来の3Dカメラは二枚の平面画像として記録しているので、全く異なった発想によるものと思います。
これスゴイ発明だと思います。これは歴史を変えますよ。
ウェブ上で、テクノロジーの新たな地平線を開くという大げさな表現をしているサイトがありましたが、たしかにスゴイ!
ひらのXX的日常-lytro


風邪キラー
風邪ほかウイルス感染症一般を治療する薬で、DRACO (double-stranded RNA activated caspase oligomerizers)と呼ばれます。
抗生物質がバクテリアと戦うように、効果的にウイルスと戦います。
ウイルスの自殺の引き金を引くように分子デザインされたものです。
ほとんどのウイルスに効くというふれこみですが、インフルエンザなど15種類のウイルスに効果がありました。
何がスゴイかというと、既に知られたウイルスだけじゃなくて、未知のウイルスにも効果が期待されるだけではありません。
まったく予想も出来ない生物兵器にも効果が期待できるのです。
訳者注:抗生物質は基本的に真正細菌にしか効果がなく、ウイルス感染症に直接効く薬はエイズ治療薬を開発するまで実質なかったのです。
タミフルとリレンザは、インフルエンザウイルスのライフサイクルを研究して分子構造をデザインした最初の薬でした。
DRACOは、ウイルス一般に効くという意味で凄すぎる!
でも、こんな万能薬は耐性のできるのが恐いんです。
医学界がどのように処方するかで、この薬の寿命が決まるのです。


3Dチップ
インテルが革命的なチップを開発し、Tri-Gateトランジスターと呼ばれる三次元トランジスターをデモンストレーションしました。
電気が平面だけでなく、縦にも流れるトランジスターです。
来年にも出荷の予定でパフォーマンスは37%向上し消費電力は半減しています。
ムーアの法則への新たな勝利です。
ひらのXX的日常-3d
訳者注:という簡単な記事でした。もちろん、昔から想定されていた進化の方向なんです。
それをどのような生産技術で商品化に結び付けたのか?
今回はニコンが関わっていないんじゃないかって懸念しています。
半導体生産装置では、日本の2社とオランダ1社の寡占です。
経営の多角化の進んだキヤノンは腰が引けてます。
日蘭一騎打ちってところですね。


すいません。

あと46もあるんですよね。

翻訳と訳者注をやりすぎました。