さて、今日はグラフを作ってみました。
主要国の通貨供給量の推移です。

かつては、マネーサプライと呼ばれていました。
ひらのXX的日常-maneystock

グラフは下のリンク先の表を折れ線グラフに直したものです。
http://rh-guide.com/tokusyu/syohizei_infre1.html


これを作った目的は、円高の原因を目に見える形にしたかったからです。
ご存知のように円高の原因は2つあります。
現在、急激な円高になっているのは、
1.アメリカの量的緩和Ⅱでドル安になっているのと、ユーロの危機でユーロ安になっている裏返しです。
それに長期的に実力以上に円高になっているのは、
2.日本の通貨供給量が異常に少ないからです。


膨大な輸出黒字を記録している中国は通貨高になるはずですが、弱いドルと連動しています。
それは、中国の通貨供給量が異常に多いからです
グラフをご覧いただいても、天を目指す龍のごとき急上昇カーブを描くのが赤い中国です。
1999年を100とすると2009年には450近くになっています。
これだけお金が供給されれば、価値が下がりますから人民元は高くなりません。
その他の国でも200くらいには増えていますが、日本だけ120程度です。
日本が潜在的成長率を2%とすれば毎年4~5%通貨供給量を増やす必要がありますが、やっていません。
つまり、日銀の金融政策の失敗が円高を招いています。
これで、アメリカの通貨供給量が少ないように見えますが、2008年11月から通貨の量的緩和=QE1をやって、最近までQE2をしてます。
たぶん、グラフの終わりからグキッと線が上を向いているはずです。


つい先ごろ、なべやかんソックリな財務大臣が円買い介入したと発表しました。
中長期的には全く意味がないと批判されていますが、今まで何もしてこなかったのでアリバイ作りの意味でやったとしか思えません。
イギリスのフィナンシャルタイムスも「攻撃的な量的緩和プログラム」を取るべきだと指摘しています。
竹中平蔵先生も同意見ですし、高橋洋一先生なんかは25兆円政府紙幣を印刷しろと言っています。
いろんな意見はありますが、通貨供給量を増やさないとダメってことだけは共通しているようです。


はっきり言って日本の金融政策はデフレ誘導をやっていたことになります。
デフレだから、金利がゼロでも実質プラス金利ですが、新興国はインフレ率が金利を上回っているから実質マイナス金利です。
これも円高を招く原因です。