9月27日に94機目のF2戦闘機が防衛省に納入され、予定された生産をすべて終了しました。
これに伴い三菱重工小牧南工場で、完納式が行われ、まるで通夜のような雰囲気だったそうです。
これで当分は戦闘機の生産は行われないことになり、次期戦闘機が決定して次の納入がされる2016年まで仕事がないのです。
次の戦闘機候補はアメリカのロッキードマーチンF35、ボーイングF/A18、イギリスを中心にヨーロッパ共同開発のユーロファイタータイフーンの3機種です。
私は飛行性能でもっとも優れており、100%国産化できるタイフーンがよいと思うのですが、政治的理由でアメリカ製にしなければならないとすれば、F35です。
元アメリカ国務省の日本部長ケビン・メアさんが、櫻井よし子さんとの対談でF35がベストだと言っています。
アメリカの役人の立場では、ボーイングとロッキードマーチンのどちらかの肩を持つことはできない。今は、もう役人じゃないから思った通りのことが言えると言っています。
10年、20年先を考えたらF35しかないと言うのです。
私がタイフーンを推すのは、防衛産業のためだけじゃないんです。
日本防衛の目的なら、ステルス性能がそれほど必須と思えません。
むしろ外敵を迎え討つには上昇力や加速力が重要です。日本国内であれば地上レーダーやイージス艦のレーダーが支援してくれるので、ステルス敵機を発見しやすく、タイフーンは正面だけなら結構ステルス性があるんです。
それと、日本の将来を考えるならヨーロッパとの武器共同開発の道を開く意味でタイフーンにすべきと思っているのです。
現状のロシアと中国のステルス戦闘機開発情況は、順調じゃありません。
ロシアのT50は、エンジンから火を吹いている映像がYoutube に出ています。
中国の殲20は、ロシア以上にエンジンが問題なうえ、機体の形状がステルス機じゃありません。
ステルス以前の戦闘機設計は、エンジンやその空気取り入れ経路~ジェットノズルが基本でした。
でも、これからはSHAPEが重要なんです。
F22は、形状の設計が最初にあってその後に内臓の配置を決めていきました。
形状が重要で、「一に形状、二に形状、三に形状、四に素材」がステルス機に基本だそうです。
だから、ロシアのT50はF22にそっくりです。
そういう意味じゃ、殲20はとりあえず飛ぶことが最低限の目標だから、殲10で実績があるカナード+デルタ翼を選んだわけです。
設計思想が旧世代なんです。
基本的にステルス機じゃありません。
このステルス機は、日本のカウンターステルス技術によるレーダーにくっきり映るんじゃないでしょうか。
殲20は、世界初のレーダーにくっきり映るステルス戦闘機になると思います。