[ジュネーブ 23日 ロイター]
名古屋大や神戸大なども参加する日本や欧州の国際研究チームは23日、素粒子の一種であるニュートリノが光より速く移動することを示す観測結果が得られたと発表した。
この結果が正しければ、宇宙の成り立ちをめぐる定説を覆すことになり、タイムマシンや異次元の存在も可能になるという。
欧州合同原子核研究所(CERN)によると、ジュネーブ近郊のCERNから発射したニュートリノを730キロ離れたイタリアの研究所でとらえる実験を3年以上にわたり1万5000回実施。
その結果、ニュートリノが光より60ナノ秒(1億分の6秒)速く進むことを観測したという。
アインシュタインが1905年に発表した特殊相対性理論では、質量を持つものは光よりも速く移動できないとされたが、今回の結果は同説と矛盾することになる。
東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)初代機構長の村山斉氏は、
他次元を通ってきた可能性を示唆していましたが、私もこの一報を聞いてトンネル効果のような一定の確率で別次元をすり抜ける粒子があるのかと思いました。
ところが1万5000回もの実験で粒子を観測したということで、その可能性はなさそうです。
佐藤勝彦東京大学名誉教授は、仮想粒子では考えられるが現実の粒子で光速を超えるとはにわかに信じ難いと述べています。
南部陽一郎の「ひも理論」では「タキオン」という仮想粒子の存在が必要とされる問題点がありました。
「タキオン」は最も遅いスピードが光速という因果律を破る粒子です。
要するにタイムマシンの可能性を許す仮想粒子でした。
「ひも理論」を発展させた「超ひも理論」では存在の必要はなくなりましたが、「タキオン」だけがSFやインチキ商品に未だに取り上げられています。
特殊相対性理論の前提が崩れてしまったわけですが、特殊相対性理論は今まで正しいことが数々の実験や観測で証明されています。
ニュートン力学は水星の軌道計算が正しくできないことがわかっていました。
高重力下での時空の歪みを記述できなかったからです。
もし、観測上問題となっていない理論が間違っているとしたら何を信じていいのかわからなくなります。
有名な「E=MC^2」の式やローレンツ変換の式にはC=光速が含まれています。
これがCでなくなって何になるのか?
また、質量についての理論も白紙になります。
ニュートリノはわずかながら質量があるとされています。
質量のある粒子は光速に近づくにしたがって、質量が無限大に近づくという相対論に矛盾するだけの話ではありません。
粒子がなぜ質量を持つのかというヒッグスの理論もひっくり返ってしまうのです。
たぶん私が書いている文章の意味がわかる方は、いわゆる「科学オタク」か専門家です。
何しろ、故カール・セーガン博士の著作に「サイエンティフィックアメリカンを読むような科学オタク」という文章がありました。
私はその日本版である日経サイエンスの熱心な読者ですから・・・・・
本日の赤い太字のキーワードを調べていただけると、この観測結果のもたらした衝撃がご理解いただけると思います。