私の知り合いがオーストラリアに行っていまして、面白い話をしてくれました。


ある日、フロに入って出ようとしたところ、浴室の鍵が壊れてしまいました。
出られなくなった彼は、大声で助けを呼びました。
夫の大声に驚いた彼の奥さんが飛んできましたが、外からも空けられません。
「鍵屋を呼べ~!」
「わかった、あなた鍵屋って知らないんだけど。」
「電話帳を見ろ!」
「あなた鍵って書いてない。」
「当り前だバカ!英語でロックだろ!」
「あなた、やっぱりない!」
「つづりを言ってみろ~」
「R O C K」
「バカ~!それは岩だろ、LOCKだ~!」
「バカバカ言わないで。」
かくして彼は救出されました。


いやあ、この話の面白いのは奥さんの見事なボケです。
たぶん日頃から「L」と「R」の間違いをよくやらかすのでしょう。


本日のハードロックは音楽のHARD ROCKではなくて、中小企業の街東大阪のハードロック工業のお話です。
ハードロック工業は絶対緩まずロック(LOCK)するハードロックナットを作っている会社です。
ひらのXX的日常-hardlock

ボルトとナットというのは、振動で緩みやすいものです。
緩み止めのためにワッシャを噛ませたりするのですが完全には止められません。
それをほぼ完全に止めた画期的なネジなのです。
この絵のように2つのナットを組み合わせてクサビの原理でガッチリ止めるのです。
それでいて溶接と違って、外そうとすれば簡単に外れます。


こんなふうに2つのナットを組み合わせるから、ちょっとコストが上がります。
若林社長が売り込みに行っても、問屋から断られ続けます。
そこで、ユーザーのの現場に製品サンプルを置いてきちゃったのです。
そうすると現場はハードロックナットの優秀さに気がついてくれます。
調達係にハードロックナットを追加注文してくれという声が上がります。
「え?そんなもの注文したことないぞ?」と、計られたことに気がついても買わざるを得なくなってしまうのです。


ハードロックナットは、新幹線とか原発とか橋だとかコストがかかっても絶対緩んでもらっちゃ困るところで活躍することになります。
アメリカのNASA規格の試験でも通常のナットの10倍の耐久性をみせており、海外でも高く評価されています。

こんなネジに特許が50件もあるというのも驚きです。


これを中国でも売っているのです。
当然コピー商品が出回って困っているのですが、形だけ真似ても同じ機能を果たさないそうです。

画像のナットは2つ1組になっていて、片方のナットは微妙に中心に対してズレを持った加工をしています。

これを対で締め付けることで横方向にクサビの力が働いて絶対に緩まなくなります。
偉いもんです。

中国で独自開発された東北新幹線そっくりの車両ですが、ブレーキなど日本製のパーツを使っています。
中国高速鉄道にもハードロックナットは納入されています。
ホントに全部日本製ならいいんですけど、ハードロックナットなんか見た目わからないから偽物を使っているかもしれません。
私、次の事故はブレーキとか重要部品が走行中に落ちる事故が続くような気がしているのです。