テレビ東京で月曜夜放送中のドラマです。
「IS」とはInter Sexualityのことで、4000人に1人の割合で性別が明確でなく生まれてくる人のことです。
「Q10」が人でないものに恋するギリシャ神話の「ピュグマリオン」ストーリーなら、「IS」は両性具有の「アンドロギュヌス」ストーリーです。
そういう意味で興味を持っています。
ドラマの主人公 星野春(福田沙紀)は卵巣と精巣の両方を持って生まれ、さらになんらかの異常で精巣を摘出した設定になっています。
戸籍上も女性として届けています。
そうなると女性でいいような気もするんですが、心が男の子なんで中学生まで男の子として育ちます。
それが高校進学にあたり、学校が戸籍上女性の主人公を男子生徒として受け入れることを拒否し仕方なく女生徒として通うことになります。
これ福田沙紀が演じているからいきなり可愛い女子高生になるんです。
以前に書いた南アフリカの陸上選手キャスター・セメンヤもISの1人だと思います。
セメンヤ選手は子宮と卵巣がなく筋骨隆々で精巣を腹腔内に持っているタイプのISです。
この人は男として生まれるところ外性器の形成が中途半端に終わったのではないかと思われます。
こういう人は結構多く、精巣の出すホルモンが女性ホルモンのように働いて女性らしい体つきになる人もいます。
セメンヤ選手は筋骨隆々になってしまいましたが。
こういう人のほかに女性として生まれるはずが、ホルモン異常で毛深くなりクリトリスが異常に大きい人もいます。
また、性染色体の異常で「xx」が女「xy」が男ですが、「x」で生まれる「ターナー症候群」の人がいます。こういう人は生まれたときは普通の女性に見えます。
しかし、成長するにつれ普通の人より小柄で無月経であるということでわかることがあります。
逆にx染色体が多い男児もいます。「xxy」の「クラインフェルター症候群」です。こっちは普通の男児のように見えます。
成長するにつれ、手足のひょろっと長い華奢な体つきになったり乳房がふくらんだりします。
と、まあISと言っても種類が多く同じ原因によるものでも個人によって女性化度や男性化度が違います。
そういう人たちが世の中にはじつは数多く存在しており、普段はそれを隠して生活しています。
制作側としては、そんな人たちのことを理解して欲しいという意図で作ったドラマだということです。
ギリシャ神話好きの私は、アンドロギュヌスとかヘルマフロディトスといった名前が浮かんできます。
神話における超人性を表しており、完璧な「男性でもあり女性でもある」のです。
ところがISのサブタイトルは「男でも女でもない性」です。
主人公の親が「男でも女でもない」というと祖母が
「そんなの可哀想、男でもあり女でもあるって考えてあげたい。」と言います。
まさにそれがギリシャ神話のアンドロギュヌスそのものです。