米国務省のメア日本部長(元沖縄総領事)のアメリカン大学での講義が「沖縄はゆすりとごまかしの名人」発言として話題になっています。
この講義を聴いた学生が2ヶ月半後に沖縄を訪問して、記憶に基づいて講義録を書き起こしたもので、メア部長は差別発言をしていないと主張しています。
当該部分も「彼らは合意形成を強要と巧妙な交渉で行なっている。」ということで、沖縄タイムスに原文があります。
-Japanese culture is a culture of "Wa" (harmony) that is based on consensus. Consensus building is important in Japanese culture.
日本文化は、「和(協調)」を基礎としている。合意形成は日本文化にとって重要だ。
While the Japanese would call this “consensus,” they mean “extortion” and use this culture of consensus as a means of “extortion.”
日本人は合意と言うが、それは強要であって、彼らはこの合意の文化を強要の道具として使っている。
By pretending to seek consensus, people try to get as much money as possible.
合意を求めるフリをして、人々は可能な限り多くの金を得ようとする。
Okinawans are masters of “manipulation” and “extortion” of Tokyo.
沖縄の人々は政府に対する強要と巧みな交渉の名人である。
訳し方を変えてみるとそんなに刺激的ではありません。
しかし、アメリカ政府がメア部長を更迭したのは、以下の部分を問題にされるより早く幕引きをしたかったからだと言われています。
I don’t think Article Nine of the Japanese Constitution should change. I doubt it will ever be changed.
私は日本の憲法第9条は変えるべきとは思わない。これは永遠に変わらないんじゃないかと思う。
It would be bad for the United States if the Japanese Constitution was changed because Japan would not need the United States’ Military.
日本憲法が改正されたら日本はアメリカ軍を必要としなくなるので、アメリカにとって悪いことだろう。
If the Japanese Constitution was changed the United States would not be able to use Japanese land to advance US interests.
もし日本憲法が改正されたら、アメリカは日本の国土をアメリカの国益増進のために使うことができなくなるだろう。
The high host nation support the Japanese government currently pays beneficial to the US.
日本政府が現在払ってくれている多額の駐留経費補助はアメリカに利益を与えている。
We’ve got a very good deal in Japan.
われわれは日本でとても巧い取引をやってきた。
これは、アメリカ政府が日本を自立不可能な半人前の国であることを望んでいることを示しています。
日本で問題になっている部分は、日本の国内問題に対する感想みたいなもので、アメリカにとってはメア部長の個人的失言にすぎません。
しかし、日本の憲法に政府関係者が言及するのはマズイ。
しかも、憲法第9条による日本の弱体化がアメリカにとっての利益だと教えてしまっているのです。
これは私がみてもマズイと思います。
日本をアメリカの属国にしておくには憲法第9条は欠かせないと思っているのです。
怖いのは中国だけじゃないのです。