パキスタンという国も、とんでもない国です。
ビンラーディンをかくまっていたのは、アフガニスタンを安定させないためだというじゃないですか。


だいたいイランとイラクの関係もそうですけどね。
イランとしては、隣国に親米の強国が誕生するのだけは絶対に嫌です。
フセインのイラクも強国ではあったけど、反米の独裁国だから戦争しても他国の支援がないからそんなに怖くない。
しかし、フセイン後イラクが安定すると困るからテロリストを支援したり、武装勢力に援助してイラクが安定しないようにします。


パキスタンもアフガニスタンのタリバンをコントロールしておきたい。
タリバンはもともとパキスタンが養成しているし、現在も関係が深いわけです。
パキスタンは外交的には中国・ロシアと近く、軍の武器も両国とドイツ・イギリス製と多彩ですが、アメリカ製は少ない。
じつはアメリカ軍がタリバンを攻撃して多大な成果を上げている「プレデター」や「リーパー」という無人機が欲しいのです。
ひらのXX的日常-reaper Reaper=死神

ところが、アメリカは断っています。
何しろパキスタンに供与したら、中国が真っ先にコピーするに決まっています。
基本的にアメリカに信用されていないわけです。


しかし、ビンラーディン自体がすでに実質的なリーダーとしての地位を退いている。
2007年くらいにはアメリカの諜報機関にパキスタンがかくまっているのがバレている。
ビンラーディン側の事情としては、腎臓病で透析をしなくては生きていけない体になっている。
すなわち山岳地帯の洞窟に隠れることは死を意味する。
単に犬死するくらいなら、パキスタンの外交防衛戦略に乗って保護を受けることで快適に生きることを選択。


象徴でしかないビンラーディンをかくまうことがアメリカの怒りを買うことになります。
これがバレて、パキスタンは選択を迫られます。
この陰謀が世界に知られるのはマズイ、アメリカの敵国になる!


そこで、パキスタンは隣国コントロールの道具であるアメリカの敵ビンラーディンと、アメリカとの関係改善を天秤にかけます。
パキスタンは、ビンラーディンに死んでもらうことにしました。
アメリカに売ったのです。


パキスタン政府には、事前通告なしの作戦でした。
はっきり言って主権侵害ですが、陰謀の首謀者をかかえたパキスタンは抵抗する立場でありません。
自業自得です。