今朝の報道番組に石原慎太郎都知事が出演していました。
知事は核武装について言及していましたが、「核武装しなくてもCSM(Conventional Strike Missile)を持つことはできる。」と言っていました。
そりゃあ考えていませんでしたねえ。
しかし、知事はそんな軍事技術のことをよくご存知です。
ビックリしました。
この方はもともと核武装論者ですから、よく勉強されているのでしょう。
核兵器ではなく通常兵器であり、さらにいうなら爆弾さえ積みません。
弾頭にはHGV(極超音速グライダー弾頭)というタングステン鋼の固まりを搭載します。
これをマッハ23の高速で目標めがけて飛ぶのです。
その運動エネルギー(キネティックエナジー)で目標を破壊する兵器です。
人工の隕石みたいなものです。
戦術核兵器に替わる兵器としてアメリカが開発しています。
弾道ミサイルではなく、低い高度で直接目的地を叩ものです。
弾道ミサイルというのは、一度大気圏外に出て再突入するという高い軌道をたどります。
それゆえ、飛ぶ距離が長いので到達するまで時間がかかります。
地球半周に 近い16770kmさきの目標まで、大陸間弾道弾なら76分かかるところ、HGVは52 分で到達します。
CSMは、特別なミサイルではありません。
通常の弾道ミサイルでいいのです。
日本のHⅡロケットでよいのですが、液体燃料ロケットでは軍事兵器向きではありません。
固体燃料ロケットでHⅡクラスの能力と弾頭が目標到達まで溶けないようにするフェアリングを開発すればよいのです。
軍事用のミサイルで燃料注入に1日かかるような液体ロケットを使っているのは、世界でもテポドンくらいのものです。
日本の宇宙技術基盤をもってすれば開発できないはずはありません。
特に大気圏外に出ないことから、ダクテッドロケットで開発するという方法も考えられます。
しかし、これは戦術核兵器に替わるものであっても、戦略核兵器の代用にはなりません。
核武装論とは別の問題のように考えます。