ねじれ国会のおかげで、郵政改革(改悪)法案の国会提出と成立が微妙になっています。
亀井さんの金融・郵政改革担当大臣辞任後引き継いだ自見庄三郎大臣がコメントをしています。


「この情勢では動きようがない。風林火山ではないが『動かざることの如し』だ。」
このコメントをテレビでは2回流したあと
「ただしくは『動かざることの如し』です。」
そうですよねえ、『徐(しず)かなること林の如し』ですよ。
でもまあ、林も動かないものですから、ちょっと勘違いしてもおかしくはないかもしれません。


さて、魔女の予言に動かされてスコットランド王ダンカンを殺したのはマクベスです。
ちょうど江戸幕府が開かれたころに書かれたシェークスピアの戯曲『マクベス』です。

お話の舞台は11世紀のスコットランド、日本では平安の後期ごろになります。


魔女にそそのかされて王位を簒奪(さんだつ)したマクベスは、己の運命を幻に問います。
「マクベスは滅びはしない。あのバーナムの大森林がダンシネインの丘に攻め上って来ぬ限りは。」
マクベスは喜びます。誰が森に進軍を命ずることができようか、できるはずがない。
ところが、マクベスを攻めるマクダフの軍は樹の枝に身を隠します。そして、枝をもったまま進軍を始めます。
見張りが報告します。
「急に森が動き出したようです!」
マクベスは、
「嘘を言うな、こいつ!」


かくして、森が動くはずないと思ったマクベスは破滅します。
『動かざること林の如し』と言った大臣も同じ運命を辿るのでしょうか。
今後を注目したいものです。


ところで、むしろ有名なのはこちらの台詞です。
「マクベスを倒す者はいないのだ、女が産み落とした者のなかには・・・」
という予言がマクベス最後の命取りになりました。
不死を信じたマクベスに、マクダフは言い放ちます!
「このマクダフは生まれるさきに、月足らずで、母の胎内から引きずり出された男だぞ。」
この瞬間、あの忌まわしい魔女にだまされたことを悟ったマクベスは、呪いの言葉を吐きながらマクダフに剣に倒れます。
ここで魔女の呪いは完結したということでしょうか。


17世紀初頭で帝王切開は一般に知られており、この舞台である11世紀にも行われていたようですね。
さらに古代ローマのジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)が自然分娩でなく切開で生まれたことから「帝王切開」と呼ばれるようになったといわれています。
しかし、これは誤った解釈だったようで本当は死んだ妊婦から胎児を取り出して埋葬しただけのことのようです。
実際の帝王切開は19世紀になっても危険な非常措置だったらしく、術後母親の80%は死亡したということです。
消毒や抗生物質の進歩で現在は相当安全になったと見えて、こんなアメリカンジョークがあります。


とても珍しい病気の男がいました。
くだらないジョークを聞くと死んでしまうという病気です。
男が入院しているとき、男の妻が出産しました。
医師が無事出産の報告をしに来ました。
「おめでとう、息子さんは無事生まれました。帝王切開でしたがね。」
「え!妻は大丈夫ですか!?」
医師は男の耳元で囁きました。
「大丈夫です。前より小さく縫っておきました(^^;」
ガクッ!!安心した男はそのまま死んでしまいましたとさ。