この写真がダークマターを見るという装置なんだそうです。
ひらのXX的日常-DARK

望遠鏡というのが正しいのかどうかわかりませんけど。
ダークマターというのは、「暗い」というより「見えない」というのに近いんじゃないかと思うんです。


われわれは古来、宇宙を可視光で観測してきました。
ところが光で見ることができるのは宇宙の一部にすぎないことがわかってきました。
銀河の運動を説明するには、星の見えないところに見えている物の質量よりはるかに大きな質量が必要になります。
どうもダークマターは見えている物質の5倍は質量があるんじゃないかと思われています。


それに宇宙の膨張を加速させているエネルギーは何なのか謎です。
重力は常に引力であり無限に届く力ですが、宇宙をそれに逆らう斥力によって膨張を加速させています。
この目に見えないエネルギーはダークエネルギーと呼ばれます。


この装置はニュートリノの研究でノーベル賞に輝いた小柴先生のカミオカンデの神岡に設置されるそうです。
ニュートリノも普通の物質と相互作用をほとんど持たないという意味で、ダークマターに近いです。
ニュートリノは常に地球に飛んできていますが、地球やわれわれの体を素通りしています。
何兆分の1かがカミオカンデの純水の分子と相互作用をして、3日に1回くらいチカッと光るわけです。
ニュートリノは質量がゼロと思われていましたが、じつはわずかに質量があるようです。
ダークマターの候補と言われている未発見の粒子があります。
「ニュートラリーノ」は名前がニュートリノに似ていますが、「超対称性理論」によれば陽子の数十倍の質量があると予言されています。
このニュートラリーノはニュートリノ同様ほかの物質と相互作用を持たないので、やはり地球やわれわれの体を通りすぎています。ところがごくまれに原子核に衝突することがあります。
だからこの装置はそのはじき飛ばされた原子核を検出する装置なんじゃないかと思います。


重力波望遠鏡というものがあります。
L字型に直角に交差する真空の鉄パイプ(長さ各300m)の中にレーザー距離計が入っています。
重力波によりこのパイプの長さが変動するのを観測します。
だから重力波が来ているのはわかるけど、方向を知ることや映像を見ることはできません。
光学望遠鏡とはまるで違うものです。
カミオカンデも同じです。
写真の装置もこんなわれわれが持つ光学望遠鏡のイメージとは全く違う代物なんでしょうね。