政治資金規正法違反容疑で逮捕された民主党の衆院議員、石川知裕容疑者(36)の弁護人、安田好弘弁護士(62)は、オウム真理教の麻原彰晃被告(54)の一審で主任弁護人を務めた人物。ほかに、和歌山カレー事件や光市母子殺害事件、耐震強度偽装事件など多くの有名事件で被告側を弁護しており、その“手腕”に注目が集まっている。
安田氏らは17日、石川容疑者の公正な取り調べを確保するよう求めた申入書を東京地検などに送付した。申入書では(1)すべての取り調べを可視化(録音・録画)する(2)1日の取り調べ時間は4時間以内(3)1週間に少なくとも2日の割合で取り調べのない日をおく-などを求めた。
安田氏はこれまで多くの重大事件で被告の弁護を担当してきた。オウム事件の麻原被告のほか、1980年に起きた新宿西口バス放火事件、和歌山カレー事件の林真須美死刑囚、耐震強度偽装事件の「ヒューザー」小嶋進元社長、光市母子殺害事件の元少年ら、いずれも大きな関心を集めた事件ばかりだ。死刑廃止運動に熱心な弁護士としても知られている。強制執行妨害容疑で警視庁捜査2課に逮捕されたこともある。
47年、兵庫県生まれ。一橋大卒で77年、司法試験に合格。80年に弁護士登録した。「死刑を考える弁護士の会」などで活動し、2005年には麻原被告の肉声を『「生きる」という権利』(講談社)として出版した。
98年には旧住専大口融資先企業に家賃収入の隠匿を指南したとして、警視庁捜査2課に強制執行妨害容疑で逮捕され、起訴後に「オウム裁判」の裁判長から国選弁護人を解任された。約10カ月ぶりに保釈された後の会見では「私を(麻原被告の)法廷に立たせないための不当逮捕だ」と怒りをブチまけていた。
06年には光市母子殺害事件の公判を、弁護士の研修会のリハーサルを理由に欠席。欠席の本当の理由は裁判の引き延ばしとの見方もあり、同事件で妻子を殺害された本村洋さんは「自分の思想で法廷を遅延させるのは許しがたい」と厳しく批判した。
麻原死刑囚、林死刑囚、母子殺人の元少年はいずれも死刑判決が下されており、有名事件における安田氏の“勝率”は決して高くない。潔白を主張する石川容疑者にとって、安田氏が強力な援軍になるかは未知数だ。
こう見てきても、極悪人ばっかり弁護しているわけで、その並びに加わった石川議員まで極悪人の仲間入りしたみたいで、気の毒に思えてきます。
しかも、勝率がかなり悪いという指摘もあります。
でも、それは「筋が悪い」事件ばかり受けているからです。
「筋が悪い」というのは弁護士業界の言葉で、被告(民事事件)または被告人(刑事事件)の落ち度が大きく「法的な救済及び無罪の立証若しくは情状酌量の余地がない」
というようなことを言います。
つまり、これから10回は防衛するようなチャンピオンに挑む挑戦者を続けているわけで、勝ち目は少ないんです。
極悪人の弁護をしたくないのは人情ですが、そういう被告人の弁護を引き受けるのは・・・
強烈な職業意識と
人権に対する絶対的な尊重と
権力に対する徹底的な反骨精神と
が・・・なせるものだと思います。
目立ちたがりなだけだ!と批判する人もいるでしょうが、この高邁な精神には感動せざるを得ません。
ただ、あまりに不利な状況で戦うあまり、違法スレスレの行動につながり捜査妨害で逮捕されるようなことになるわけです。
欠席で裁判の遅延を狙ったりとか答弁書提出をサボタージュしてオウム真理教松本智津夫の死刑が確定したりチョンボもしてるんですよねえ。
ただ、今回だけ違和感を覚えるのは容疑者が「権力の側」にいることです。
まあ、変な話ですが石川議員が小沢さんから切り捨てられることが折込済みというなら理解できます。