元大蔵事務次官の斎藤次郎氏が新社長に内定しました。
民間の金融界から三顧の礼で招いた「大物」西川社長を国会で晒し者にし、イジメ倒して追い出すということを鳩山兄弟はやりました。
その代わりに据えたのは、元大蔵官僚です。
私は忘れていませんが、日銀総裁の同意人事で、
「大蔵省出身だから何が何でもダメだ!」とヒステリックに言っていたのは誰だ!
民主党の皆さんの記憶力どこに行っちゃったんでしょう???
どこが『脱官僚』だというのでしょう。
というか、もう民間からは引き受け手がでないのは明らかです。
「民から官への逆戻り」が実現することになりました。
地方や山間地でも全国一律のサービスが受けられる格差是正が出来るという、耳に優しい言葉が響きます。
かんぽ保険やゆうちょ銀行が集めた資金は、銀行が貸し渋る中小企業に優先的に貸し出すということです。
それだけ聞いているとじつに素晴らしいことに聞こえますが、じゃあ何で民営化したんでしょう?
それは非効率な部門の赤字を金融部門で穴埋めするという「どんぶり勘定」をやめようということだったんじゃないでしょうか。
民間から数百兆円の金を集め、不採算事業につぎ込む。そういう事業構造が国民のお金を無駄に使っているという批判があったのではないでしょうか。
「銀行が貸し渋る中小企業に優先的に貸し出す。」という政策は亀井大臣が最初に考えたことではありません。
「新銀行東京」がすでにやっています。それで大失敗をしているのは有名な話です。
株式会社化した後、市場で株を売却する予定で、そのためにも魅力ある企業を目指すべく西川社長ら民間出身経営者は努力してきました。
その株の売却利益で国は巨大な借金の一部を減らすことができるはずでした。
ところが、株は売却を凍結し国が100%保有しつづけることになりました。
株を100%保有するなら株式会社でなくてもいいと思うのですが、民間企業であった方が郵便局長会の政治活動がやりやすいので、いいとこ取りした格好です。
民主党はこれで来年の参議院選挙で郵政票を取り込み、選挙に勝つというシナリオです。
民主主義というのは他の政治手法よりは、遙かにマシなシステムです。北朝鮮や中国やミャンマーやイランなどのようになって欲しくはありません。
しかし、選挙のために票のためにこんなことが行われるのは欠陥であると言わざるを得ません。
おそらく今の国家予算の要求状況だと、赤字国債を50兆円ほど増発しなければならないでしょう。
その担い手にもなる郵政は国にとっては便利な財布という役目も果たすことでしょう。