エドウィン・ハッブルは、遠い銀河ほど速く遠ざかっていることを発見しました。
それが何を意味しているのか一般には理解されていませんでした。
恒星が出す光を物質は吸収するんですが、物質毎に吸収する波長が決まっています。
それは地球上でも太陽でも波長別に表示すると同じ波長のところに、光が吸収された吸収線が現れます。
これは宇宙のどこでも同じ物理法則が成り立つなら、同じところに現れるはずです。
ところが、遠い銀河では波長がずれているんです。
すなわち同じ吸収線の現れる波長が長くなっているんです。
つまり、赤い色の方へとずれるので、「赤方偏位」といいます。
これは、その銀河が遠くへと移動している、運動しているということでありその結果として光のドップラー効果で、赤方偏位が起こるとい解釈でした。
実際、私が高校生のとき学校の授業ではドップラー効果によって赤方偏位が起こると説明されていました。
そのとき既に宇宙が膨張しているのはわかっていたんですが、空間そのものが膨張しているという理解ではなかったということです。
つまり星と星が離れる運動をしているという解釈でした。
でも今は違います。天体が運動しているのではなくて空間が膨張してるのだという解釈に変わりました。
すなわち、赤方偏位はドップラー効果ではなく空間が膨張した結果として波長が伸びてしまった結果だということです。
でも、本当に最近まで光のドップラー効果が赤方偏位の原因だと言われていました。
ビッグバン理論の発展によって宇宙観はどんどん変わっていくものですねえ。