「Newton」誌がまた「宇宙論には誤解がいっぱい」という特集をしました。


いや、本当にまだまだ誤解されている方が多いと思います。
私だって理解したのは、そんなに偉そうなこと言えないくらい最近ですから。

ひらのXX的日常-BIGBANG

1.宇宙の中心
私は子供のころ「宇宙の中心はどこにあるのだろう?」と考えていました。
宇宙ってどんな形をしているかわからないけど、きっと球形なんじゃないかとなんとなく思っていました。
その中でわれわれの地球は、銀河系でも辺境の位置にあるから銀河系自体も中心から離れた位置にあるに違いないと・・・・。


でも、地球の表面のことを考えてみましょう。
地球の表面のどこが中心でしょうか?
そりゃ、日本人なら日本が中心と考えるかもしれないですし、中国人なら中国が中心でしょう。
それって主観の問題で、もしツルツルの表面を持った球体の表面で、どこが中心ですか?と問われれば・・・
「どこも同じじゃないか。」という答えになります。
結局、中心って存在しないんです。


これは、3次元空間で球体表面という歪んだ2次元の中心が存在しないという思考実験です。
では、もう1次元上げてわれわれがいる4次元時空に広がる宇宙空間にも同じことが言えるのではないか?
すなわち、どこも同じなんです。


ビッグバンがあった場所っていうものはないんです。
ビッグバンが始まる前に宇宙はある程度の大きさになっていて、ビッグバン後はその空間が光速を超えるスピードで膨張したんです。
だから、どの部分も中心だし中心はないとも言えるわけです。


これには観測された証拠があるんです。
アメリカのベル研究所が電波の観測をしていると、マイクロ波の雑音が観測されました。
どこからくるのか調べてみると・・・・全方位から同じようにやってくるのでした。
誰が出しているのかわかりました。誰がというより宇宙の全方位からやってくることがわかったのです。
これは、ビッグバンの火の玉が冷えた放射だったと解釈されました。
絶対温度で2度まで冷えた放射が、あまねく宇宙のすべてに残っているわけです。


これを宇宙の「背景放射」と呼んでいます。


続く