近々にも発売されるであろうインフルエンザ薬をまとめてみました。
世の中で、こういうまとめ方をしているものがありませんので、ご参考になれば(´0ノ`*)
科学に疎いマスコミの方はパクッてもいいですよ。
こうやって見ると、タミフル/リレンザの属するノイラミニダーゼ阻害系が多いようです。
この薬の特徴は、インフルエンザウィルスの増殖過程を解明し、
細胞内で増殖したウィルスが外に飛び出すのに待ったをかけるものです。
例外は、富士フイルムの子会社となった富山化学のTー705です。
これはインフルエンザウィルスの遺伝子であるRNA合成酵素を阻害するものです。
治験中のインフルエンザ薬 | ||||
薬剤名 | 投与方法 | 作用機序 | 開発段階 | 開発会社 |
ペラミビル | 注射 | ノイラミニダーゼ阻害 | 2010年秋発売 | バイオクリスト社 |
CS-8958 | 吸入器による | ノイラミニダーゼ阻害 | 第3相臨床試験 | 第一三共 |
T-705 | 内服(飲み薬) | RNAポリメラーゼ阻害 | 第2相臨床試験 | 富山化学 |
ほとんど同時に開発されたタミフルとリレンザで、タミフルが圧倒的成功を収めたのは、経口薬だったからです。
腸管から吸収されないリレンザは特殊な吸引器が必要なのです。
酒井法子容疑者なら『あぶり』で慣れているからいいでしょうが、飲み薬の方が使いやすいんです。
ベラミビルのような注射だともっと大変ですが、意識がない重症患者にはむしろこの方がいい場合もあります。
日本では、塩野義が輸入発売します。
そうしてみると、
タミフルと作用機序が異なり経口薬であるTー705はタミフル耐性株が増えたあとの後継として非常に有望だと言えます。
ただ、フェイズⅡなんですね。早くフェイズⅢで広く臨床例に使ってもらって承認申請して欲しいものです。
ちなみに臨床試験とは以下のように進められます。
第1相試験(フェイズ Ⅰ)
自由意思に基づき志願した健常成人を対象とし、被験薬を少量から段階的に増量し、被験薬の薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)や安全性(有害事象、副作用)について検討することを主な目的とした探索的試験である。動物実験の結果をうけてヒトに適用する最初のステップであり、安全性を検討する上で重要なプロセス。
第2相試験(フェイズ Ⅱ)
第Ⅱ相試験は第I相の結果をうけて、比較的軽度な少数例の患者を対象に、有効性・安全性・薬物動態などの検討を行う試験。
第3相試験(フェイズ Ⅲ)
上市後に実際にその化合物を使用するであろう患者を対象に、有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われるのが第3相である。
製造販売承認申請
第1相から第3相までの試験成績をまとめ、医薬品の製造販売承認申請が行われる。規制当局(医薬品医療機器総合機構)による審査を受けて承認されると医薬品としての販売が可能となる。