韓国内では双龍の破綻が韓国・中国の微妙な問題となっているようです。
双龍は、2003年ごろの東京モーターショーに出展していたのを覚えています。
レジャー用SUVやRVのメーカーということで、ダイムラーの技術支援を受けていました。
韓国の自動車メーカーは、現代自動車がフォードのちに三菱自動車、三星自動車(今のルノーサムスン)が日産自動車からの技術支援を得てスタートしています。
もっとも早く技術的に独り立ちした現代自動車は、世界第6位の生産台数を誇っています。
双龍は90年台にも経営不振で一時大宇に吸収されていましたが、2000年に大宇も破綻したためブランドが復活。
2004年に中国の上海汽車が筆頭株主となります。(中国語で汽車は自動車のこと、日本語の汽車は中国では火車といいます。)
この頃の双龍はチェアマンという高級自動車を発売していますが、メルセデスのEクラスをベースにしています。
それにしてもメルセデスそのままのデザインにダイムラーからクレームがついたほどです。
今回の経営破綻について、労働組合は「技術を盗むために、会社を買って盗み終えたら会社を潰した。」と非難しています。
ダイムラーから支援を受けていた内容を盗まれたということなんでしょうけど、
もともとオリジナルの技術なんかあったんでしょうか?
一方、上海汽車側は「日本やヨーロッパの出資会社だって潰れているのに、何故われわれだけが非難されるのだ。」と開き直っています。
何故かと言えば、「日本やヨーロッパの会社は技術を持ち込んだけど、上海汽車は技術を持ち出しにきたからです。」簡単な理屈です。
そんな訳で、韓国の特徴でもあり産業界の足を引っ張る労働組合が騒ぎ立てているため、政府も困っているということです。
上海汽車が夜逃げ同然で逃げ出したくなるのも、あの労働組合をみていると理解できるような気もします。