失われた組織や器官を再生する技術が急速に発展しています。


京都大学のiPS細胞は、胚性幹細胞のように何にでも分化できる細胞です。
これで肝臓や腎臓などの臓器や心筋を作ったりすることができるようになるでしょう。
iPS細胞を作るための遺伝子を細胞に組み込む際にウィルスをベクターとしてを使っていました。
これがガン化を心配する原因でしたが、ウィルスベクターを使わない方法が開発されました。


切れた神経を繋ぐ技術も開発されました。
タカアシガニの甲羅から作ったキトサンのチューブの両端に切れた神経繊維を置くと、チューブを足場に神経が伸びて繋がり、チューブは体に吸収されてなくなるというもの。
北海道大学と北海道曹達という会社の共同開発。
キトサンは動物性のセルロースともいわれる多糖体で、食品として利用されますが、北海道曹達の人も「まさか医療用になるとは思わなかった。」と正直なコメントをしています。


人工骨に従来は軽くて丈夫な金属類が使われていましたが、骨と同じ水酸化アパタイトと天然コラーゲンの多孔質材料が開発されました。
これを骨の欠損部分に入れると、破骨細胞と造骨細胞が入り込み、約3ヵ月後には自分の骨と置き替わるそうです。
PENTAXのセラミック部門(現HOYA)はこんなものを作っていたのか(@@; とビックリしました。


さて、こんなに医療技術が発展するとパラリンピックがなくなってしまうかも知れません。
脊椎の損傷が修復可能になれば、車椅子を降りて選手たちは歩き出すでしょう。
逆に健常人以上の運動能力を身につけた元身障者はオリンピックにでられるのか?
妙な議論が戦わされる事態に早くなって欲しいものです。