そもそも、武装組織の名前がソレスタルビーイング(Celestial being)というのは
「天上の存在」「至高の存在」というような意味なので、「神」と名乗っているも同然。
すなわち、神の使者(ヘブライ語で「アンゲロス」)として、ガンダムに神の使者たる「エンジェル」の名を付けるのは当然なのかもしれません。
スローネあたりで気がつかなかったのは、ぬかったとしか言いようがありません。


ところで、天使のヒエラルキーはキリスト教の神学が生んだものです。
天使も元はといえば、アッシリアやイラクなど異教の神々や精霊がキリスト教に取り込まれたものです。
キリスト教自体が元々ヨーロッパの宗教じゃなかったですからね。
同じように元々東方の神々だった美神アフロディーテや酒神バッコスは、ギリシャのおおらかな多神教の中では神々と成れました。


しかし、一神教のキリスト教では、神ではなく「天使」「精霊」「妖精」「妖怪」「悪魔」に身の振り方が限られてしまいました。
一旦は天使になったものの悪魔に身を落とした暁の子の名を持つ「ルシファー」という存在もありました。

ちなみに、ルシファーのヒエラルキーにおける序列は、9段階中の8番目にあたるArchangels:大天使でした。
大天使より下のランクの天使は、人間と接触することができます。
大天使ミカエルやガブリエル、ラゲル、イミュラリエルたちです。


こうしたキリスト教の天使の階級を表すヒエラルキーという言葉が、現代では社会学において社会の階級・階層を意味する言葉としてそのまま使われるというのは興味深いことです。