この数年で「パブコメ」という言葉をよく聞くようになりました。


どんなふうに使うかというと、
「金融庁のパブコメに取り扱いの考え方がでていましたね。」とかいうように言います。
パブコメとは「パブリック コメント」の略なんです。


昨年の金融商品取引法の施行は、従来の日本法がベースとしていた

大陸法の考え方から、英米法に軸足を移すという大転換でした。


金融庁の担当官の説明を聞きにいったとき聞いたのは

「英米法の精神を大陸法に基づく日本法の用語で表した」のが、

金融商品取引法なんだそうです。
すなわち、従来の法制度とは根本的に違うのだということです。
世界の金融は、英米法で動いていますからねえ。


そこで困るのは、この法律がどのように運用されるのか従来の経験則で予想がつかないということです。
最近の法律は施行前に関係業界から質問を受け付けるんですね。
それに対して所轄官庁が公に見解を発表する=パブリックにコメントするんです。
それが今回のような法の大転換があると、質問も回答も膨大なものになっています。
また、その過程で金融庁も考え方を整理する等が行われました。


私も図らずして見なし金融商品を扱う金融商品取引業者になってしまいました。
なにしろすべての投資契約自体が「有価証券」の扱いになってしまったのです。
不動産屋がいきなり証券会社になったようなものです。
不動産屋と顧客の間で、証券の預かりや金銭の預かり残高なんかあるわけないです。
でも「預かり金残高はございません。」という書面をわざわざ作って差し上げる必要があります。
バカバカしい話です。
パブコメで、そんなものは不要と言ってくれたらよかったのに・・・・