最近糖類「0」がウリの商品多いですねえ。
砂糖に替わる合成甘味料といえば、昔はサッカリンとかチクロとかで若い人は知らないだろうなあ。
このごろはアミノ酸系の甘味料が多いです。
砂糖=蔗糖といって、いわゆる二糖体でブドウ糖と果糖の分子がくっついたものです。
清涼飲料水を見ると、よく「果糖、ブドウ糖」と書いてありますけど、あれは砂糖が分解されたものなんですよ。
こうした方が甘みが増すので使う量が減るでしょ。砂糖より安上がりなんです。
しかも量が減るからカロリーも少ない。
とはいっても糖類なんで、それ以外というと世界的によく使われているのが味の素が生産している「アスパルテーム」です。
今日飲んだ酎ハイにはアセスルファムカリウムが甘味料で使われていました。砂糖の200倍の甘さということでサッカリンに似た甘さです。
アスパルテームは、フェニールアラニン誘導体で偶然甘味料として発見されました。
偶然発明されたのかな?
アミノ酸合成の実験をしていた研究者が、実験後に手も洗わずに食事をするというあってはならないことをしました。
すると食っていたものが甘いのです。
「なんじゃこりゃあ!」と自分の手に付いたものに驚く松田優作じゃなくて研究者は、アミノ酸系甘味料を発見か発明したのです。
このようにしてできたアスパルテームの発熱量は同じ重さの砂糖とほぼ同じですが、砂糖の200倍という圧倒的な甘さゆえ少量しか使わないのでカロリーゼロの表示がされています。
フェニールアラニン自体はありふれたアミノ酸でミルクにも入っているんですが、先天的にこのアミノ酸を巧く代謝できない体質の人がいます。
フェニールケトン尿症というんですが、巧く代謝できないと脳細胞が破壊されてしまいます。
そのため、特別なミルクを飲ませるのですが、昔はひどい臭いだったそうです。
大きくなれば普通に代謝できるようになるので赤ちゃんのうちだけ我慢です。
大人になってダイエットコーラを飲んでも大丈夫。
それにしてもアミノ酸合成の実験ならともかく、殺虫剤の試験で手も洗わずに食事したら即死という可能性もあったわけです。
そういう屍の山の中を乗り越えてアスパルテームという宝くじを引き当てた研究者ですが、引退するまで生きていたいなら今後は実験後の手洗いをお勧めしたいと思います。